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Shpak M et al Higher Incidence of Ischemic Stroke in Patients Taking Novel Oral Anticoagulants
結論 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の使用はwarfarinにくらべ,脳梗塞リスク上昇および出血リスク低下と関連していた。warfarin使用例はより強度の抗凝固療法をうけていると結論できる。
コメント Hospital Corporation of Americaの大規模データベースから,在宅時の治療として抗凝固薬を処方されていた心房細動患者を対象とした研究である。実臨床の現場において,NOAC療法とワルファリン療法間で,虚血性脳卒中と頭蓋内出血の発現率が比較された。NOAC療法の方が虚血性脳卒中発現率が高く,頭蓋内出血発現率は低かったという。後者はNOAC第3相試験から首尾一貫した結果であるが,前者は第3相試験で示された,NOACにおける虚血性脳卒中発現率はワルファリンと同等かそれ以下というメッセージと異なる。本研究結果で示されたNOACで虚血性脳卒中発現率が高い理由として,不適切な低用量選択やアドヒアランスの問題が関連しているかもしれない。今後の検討が必要であろう。(矢坂正弘

目的 心房細動の管理におけるNOAC使用の増加は,NOACがwarfarinと同等の有効性をもち,出血リスクは低いという前提から来ている。本研究ではこの仮説を検証するため,企業規模のデータを用い,後ろ向き研究を行った。
デザイン 後ろ向き研究。
セッティング 多施設,米国。
期間 登録期間は2015~2016年。
対象患者 137,944例。Hospital Corporation of America(米国の医療施設経営会社)のデータベースより得られた入院患者のうち,在宅時の治療として抗凝固薬を処方されていた心房細動患者。
【除外基準】-
【患者背景】-
治療法 NOAC使用71,365例,warfarin使用59,546例。warfarinとNOACの両方を使用した記録のある7,033例については,別のコホートとして解析した。
追跡完了率
結果

●評価項目
NOAC使用例はwarfarin使用例にくらべ,脳梗塞発症率が高かった(OR 1.291,p<0.001)。
warfarinに対する脳梗塞の相対発症率について,apixaban,dabigatranでは統計学的有意差が認められたが,edoxaban,rivaroxabanでは認められなかった。
apixaban:OR 1.447,p<0.001。
dabigatran:OR 1.289,p<0.001。
edoxaban:OR 1.399,p=0.117。
rivaroxaban:OR 1.069,p=0.055。
NOAC使用例では一貫して頭蓋内出血(OR 0.7064,p<0.001)および非外傷性出血(OR 0.691,p<0.001)の相対発症率が低く,発表されている論文の結果と一致していた。
NOAC使用例とwarfarin使用例の患者特性および臨床特性を比較すると,NOAC使用例で脳卒中リスクはむしろ低かった。

●有害事象

文献: Shpak M, et al. Higher Incidence of Ischemic Stroke in Patients Taking Novel Oral Anticoagulants. Stroke 2018; 49: 2851-2856. pubmed
関連トライアル Chang SH et al, da Vinci, GWTG-Stroke NOAC before stroke, GWTG-Stroke ICH and in-hospital mortality, REAFFIRM, Staerk L et al, Yao X et al
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