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GARFIELD-AF
結論 2010年から2016年にかけて,わが国における非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)使用率は大幅に増加し,2016年には2/3の日本人非弁膜症性心房細動(NVAF)患者がNOACを投与されていた。新規にAFの診断をうけた日本人患者は,わが国以外の患者にくらべ,死亡率が低かった。
コメント 新規発症のNVAF患者を対象とした国際レジストリー(GARFIELD-AF)は,2018年8月にフォローアップを終了し,最終解析結果がまとめられている段階である。
本論文は,日本と全体のデータを1年間のアウトカムで比較検討したものであり,日本では,NOACの登場により急激にその使用頻度が増加し,他のアジアの国々とは大きな差を認めていること,大出血および全死亡は,全体に比し低値であり,一方脳卒中発症は同等であることを示した。ワルファリンのコントロールについては,全ポイントの約1/3が1.6を下回っており,今後の課題と考えられる。(是恒之宏

目的 GARFIELD-AFは,NVAF患者における脳卒中予防ストラテジーのトレンドならびに疾患による負荷や転帰を記録することを目的に行われている。本解析では,日本人患者の特性や治療パターン,1年後の転帰について記述した。
デザイン 前向き登録観察研究。
セッティング 多施設(>1,000施設[わが国301施設]),35ヵ国。
期間 わが国における登録期間は2010年7月13日~2016年6月20日。
対象患者 52,081例(うち日本人4,859例)。≧18歳,AFの診断から6週以内,脳卒中の追加的リスク因子を有する症例(リスク因子の定義はなし)。
【除外基準】一過性の可逆的な原因によるAF,追跡不可能の症例。登録時にビタミンK拮抗薬を投与されていた患者のうち,INR測定回数<3回の患者は本解析から除外した。
【患者背景】平均年齢は日本人71.2歳,わが国以外69.5歳。それぞれの男性59.8%,55.4%。平均BMI 24.0,28.2。平均CHADS2スコア1.8,1.9。平均CHA2DS2-VAScスコア3.0,3.2。平均HAS-BLED出血リスクスコア1.2,1.4。心房細動の病型:発作性61.1%,24.0%,持続性10.3%,13.0%,永続性23.0%,14.1%,新規診断5.6%,48.9%。(ここにあげた項目はすべてp<0.001)
治療法
追跡完了率 1年後の追跡完了は51,368例(98.6%)。
結果

●評価項目
第1コホート(2010~2011年)ではNOACの投与は全世界で少なかったが,第2コホート(2011~2016年)からはNOACは全世界,とりわけわが国で急速に増加し,最終登録(2015~2016年)ではわが国では67.9%,全世界では43.1%がNOAC(±抗血小板薬)を投与されていた。脳卒中予防療法をうけていなかったのは,わが国では17.0%,全世界では12.2%であった。わが国では,抗血小板薬のみの投与は少なかった(5.7%,全世界では21.0%)。
わが国ではわが国以外にくらべ,全死亡および大出血の発生率は低かったが,脳卒中/全身性塞栓症は同程度であった。
全死亡:わが国95例(2.13%),わが国以外2,008例(4.61%),補正後HR 0.65,95%CI 0.51-0.83。
心血管死:27例(0.61%),762例(1.75%),補正後HR 0.54,95%CI 0.35-0.83。
大出血:14例(0.32%),393例(0.91%),補正後HR 0.43,95%CI 0.23-0.79。
脳卒中/全身性塞栓症:56例(1.26%),594例(1.37%),補正後HR 1.22,95%CI 0.87-1.72。

●有害事象

文献: Koretsune Y, et al.; GARFIELD-AF Investigators. Risk Profile and 1-Year Outcome of Newly Diagnosed Atrial Fibrillation in Japan - Insights From GARFIELD-AF. Circ J 2018; 83: 67-74. pubmed
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