抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Bonde AN et al Outcomes Among Patients with Atrial Fibrillation and Appropriate Anticoagulation Control
結論 ビタミンK拮抗薬(VKA)服用中の心房細動(AF)患者において,TTR≧70%であった患者の約半数が1年の追跡期間中に<70%となった。TTR≧70%自体の長期予測能は限られている。

目的 ガイドラインでは,VKAを服用しているAF患者ではTTR≧70%を維持すること,INRコントロール不良の症例については直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)へ切り替えることを推奨している。ただし,TTRは予測が難しく,経時的に変動しうる。本研究では,(1)TTR≧70%の患者の多くが1年以内にTTRが低下する,(2)そのため,VKA開始後6ヵ月間のTTR≧70%は脳卒中/全身性塞栓症または大出血リスク低下と関連しないという仮説を検証した。評価項目:脳卒中/全身性塞栓症,大出血,追跡終了時のTTR<70%。
デザイン 後ろ向き登録研究。
セッティング 多施設,デンマーク。
期間 登録期間は1997年1月1日~2011年8月22日。
対象患者 4,772例。VKA開始後6ヵ月経過したAF患者。
【除外基準】最初の6ヵ月間に死亡またはVKA中止,弁膜症,>100歳または<30歳,連続するINR測定日の間隔が>50日またはINR測定データが<3件。
【患者背景】年齢中央値はTTR<70%群72.6歳,≧70%群72.7歳。それぞれの男性60.0%,60.7%。最初の6ヵ月間におけるTTR中央値49.2%,82.7%(p<0.001)。INR測定回数中央値12回,10回(p<0.001)。CHA2DS2-VAScスコア中央値3,3(p=0.006)。HAS-BLED出血リスクスコア中央値2,2(p=0.024)。高血圧55.3%,55.8%。糖尿病9.9%,7.8%(p=0.015)。脳卒中/全身性塞栓症既往16.0%,14.7%。大出血既往6.2%,5.6%。
治療法 INR 2.0~3.0となるようVKA投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
開始から6ヵ月後もVKAを服用していた症例のうち,TTR ≧70%は1,691例(35.4%),<70%は3,081例(64.6%)であった。
開始から12ヵ月後もVKAを服用していたTTR ≧70%の患者のうち,≧70%を維持していたのは513例(55.7%)のみで,60~70%は168例(18.2%),<60%は242例(26.2%)であった。

最初の6ヵ月間におけるTTR<70%はTTR≧70%にくらべ,イベントリスクとの有意な関連はみられなかった。
脳卒中/全身性塞栓症:HR 1.14,95%CI 0.77-1.70,p=0.501。
大出血:HR 1.12,95%CI 0.84-1.49,p=0.429。
TTRを時間依存的に解析したところ,TTR<70%はイベントリスク上昇と関連していた。
脳卒中/全身性塞栓症:HR 1.91,95%CI 1.30-2.82,p=0.001。
大出血:HR 1.34,95%CI 1.02-1.76,p=0.033。

●有害事象

文献: Bonde AN, et al. Outcomes Among Patients With Atrial Fibrillation and Appropriate Anticoagulation Control. J Am Coll Cardiol 2018; 72: 1357-65. pubmed
関連トライアル ARISTOTLE time in therapeutic range, Bonde AN et al, ENGAGE AF-TIMI 48 VKA experienced and naive, Lamberts M et al, Lamberts M et al, Lamberts M et al, Larsen TB et al, Lee CJ et al, Loire Valley Atrial Fibrillation Project, Staerk L et al, Staerk L et al, Yoshida R et al, 心房細動およびVTE患者におけるNOACの大出血関連致死率
関連記事