抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
CVT患者における再開通
Recanalization in Cerebral Venous Thrombosis: A Systematic Review and Meta-Analysis
結論 脳静脈血栓症(CVT)患者において,静脈の再開通がないことは臨床転帰の悪化と関連していた。CVT患者における静脈の再開通の時期や程度が転帰に及ぼす影響を検討するために,前向き試験を実施すべきである。
コメント 脳静脈血栓症の予後にその再開通が関連していることが示された。静脈性の出血は軽度あることを考慮すると,静脈血栓症の場合は早期の診断を行い,十分な抗凝固療法による相対的線溶能優位状態を惹起し,閉塞した静脈血栓を溶かすことがよい転帰を得るもっとも重要な治療といえよう。(矢坂正弘

目的 閉塞した硬膜静脈洞または静脈の再開通がCVT患者の転帰に及ぼす影響は,不明である。本研究は,通常の抗凝固療法をうけているCVT患者において,再開通率ならびに臨床転帰およびCVT再発との関連を検討した。主要評価項目:再開通率,機能的転帰,CVT再発。
方法 Pubmed,Cochrane Library,clinicaltrials.govにて,開始日から2017年9月10日まで検索。言語は英語,ドイツ語,フランス語,スペイン語,イタリア語,ポルトガル語に限定した。エビデンスレベルはGrading of recommendations, assessment, development and evaluationにて評価した。
対象:急性CVTを発症した成人について,CT静脈造影またはMRIにより再開通の状態を10件以上報告している観察的コホート研究。
除外:小児患者,外傷性CVT,患者の>10%が血管内治療をうけている/抗凝固療法をうけていない研究。
対象 19研究,694例(818件)。
発表年:1994~2017年。国:欧州,米国,メキシコ。研究デザイン:前向きコホート7研究,後ろ向きコホート11研究,混合1研究。
主な結果 エビデンスレベルは7研究が中等度,12研究が低度であった。

・再開通(19研究,818件)
統合再開通率は64/818件(85%,95%CI 80-89,I2=58%),エビデンスレベルが中等度の研究に限定すると,77%(70-82,I2=0%)であった。
再開通の低度は720件で得られ,完全再開通は49%,部分的再開通は35%であった。

・機能的転帰(8研究,416件)
転帰良好(mRS 0~1)は再開通例では319例/357件(89%),非再開通例では42例/59件(71%)と,再開通例において増加した(ランダム効果モデル:統合OR 3.3,1.2-8.9,I2=32%,序数ロジスティック回帰:共通OR 3.3,1.7-6.3,Waldχ2 11.3,p=0.001)。

・死亡(4研究)
死亡は再開通例にて2例/207件(1%),非再開通例にて5例/39件(13%)と,非再開通例において増加した(OR 15,p=0.002)。

・CVT再発(5研究,375件)
CVT再発は開通例にて3.4%と,非開通例にて0.9%にくらべ数値的には多かったが,これらの試験の多くにおいて追跡期間が1年未満であり,またCVT再発がみられなかったため,メタ解析を行わなかった。
文献: Aguiar de Sousa D, et al. Recanalization in Cerebral Venous Thrombosis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Stroke 2018; 49: 1828-35. pubmed
関連トライアル SITS-ISTR importance of recanalization
関連記事