抗血栓トライアルデータベース
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Rotterdam Study intraplaque haemorrhage
結論 頸動脈の動脈硬化性プラーク患者において,抗血栓薬の使用はプラーク内出血(IPH)の高有病率と関連していた。
コメント プラーク内出血は動脈原性脳塞栓症の重要なリスクである。MRIで評価されたプラーク内出血にワルファリンの長期使用やPT-INR高値,および高用量の抗血小板薬使用が関連することが本試験で指摘されている。したがって,ワルファリン療法や高用量の抗血小板療法を長期にわたり投与する症例では,プラーク内出血を含めた経過観察が必要といえよう。(矢坂正弘

目的 抗血栓療法は脳卒中予防において重要な役割を果たすが,頸動脈の動脈硬化性プラークの組織に対する直接的作用については不明である。本研究では特にIPHに焦点をあて,抗血栓療法と頸動脈プラークの関連を検討した。
デザイン 地域住民ベースの前向きコホート研究。
セッティング 多施設,オランダ。
期間 登録期間は2007~2012年。
対象患者 1,740例。Rotterdam Study登録患者のうちアテローム性頸動脈硬化症(頸動脈超音波にて片側/両側の頸動脈に≧2.5mmの内膜中膜複合体肥厚)を有する症例にMRIを施行し,プラークが認められた者を本解析対象とした。
【除外基準】-
【患者背景】平均年齢72.9歳。女性46.0%。現喫煙31.5%。糖尿病14.4%。平均血圧145/80mmHg。ビタミンK拮抗薬(VKA)現使用6.8%,使用期間中央値11ヵ月,過去の使用9.0%。抗血小板薬現使用29.9%,使用期間中央値72ヵ月,過去の使用11.9%。脳卒中既往6.3%。冠動脈疾患既往11.4%。
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
VKAの現在の使用(補正後OR 1.88,95%CI 0.74-4.75),過去の使用(OR 1.89,0.91-3.93),抗血小板薬の現在の使用(OR 1.22,0.91-1.62),過去の使用(OR 1.23,0.86-1.75)は,IPHの高有病率と関連する傾向がみられた。
使用期間について解析したところ,VKAの長期使用(OR 3.15,1.23-8.05),抗血小板薬の長期使用(OR 1.21,0.88-1.67)はIPHの有病率が高い傾向がみられた。
さらに,INR>2.97(OR 1.48,1.03-2.15),抗血小板薬の高用量使用(OR 1.50,1.21-1.87)もIPHの高有病率と関連していた。
抗血栓療法とプラーク組織の脂質コア,石灰化については関連を認めなかった。

●有害事象

文献: Mujaj B, et al. Antithrombotic treatment is associated with intraplaque haemorrhage in the atherosclerotic carotid artery: a cross-sectional analysis of The Rotterdam Study. Eur Heart J 2018; 39: 3369-76. pubmed
関連トライアル Gaist D et al, Lamberts M et al, PROSPER antithrombotic treatment and outcomes
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