抗血栓トライアルデータベース
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J-RHYTHM Registry TTR in elderly
結論 日本人の高齢NVAF患者では,血栓塞栓症ならびに全死亡を予防するためにTTRは≧60%を維持すべきである。また大出血予防のためには,TTR<40%は避けるべきである。

目的 warfarinの投与にあたってはそのコントロールが重要である。海外の先行研究では,TTRが低い場合はwarfarinを投与されていない患者にくらべ転帰が不良と報告されているが,わが国においてはwarfarin治療のクオリティとNVAF患者の予後の関連は,十分に検討されていない。本解析では70歳以上の高齢患者において,出血イベントを増加させず血栓塞栓イベント予防に有効なTTR値を検討するため,TTRと転帰の関連を検討した。主要評価項目:血栓塞栓症,大出血,全死亡。
デザイン 前向き観察研究。UMIN000001569。
セッティング 多施設,日本。
期間 登録期間は2009年1~7月。追跡期間は2年または有害事象発生まで。
対象患者 3,832例。J-RHYTHM Registry登録患者(外来の全病型心房細動患者連続例7,937例)のうち,70歳以上,TTR値が入手できたか,warfarinを投与されていなかったNVAF患者。
【除外基準】僧帽弁狭窄,機械弁置換術施行,追跡不能例。
【患者背景】平均年齢はwarfarin非投与群78.0歳,TTR<40%群78.2歳,40~59.9%群77.2歳,60~79.9%群76.7歳,≧80%群76.6歳(傾向p<0.001)。各群の女性37.7%,36.5%,32.2%,37.9%,34.6%。平均CHADS2スコア1.9,2.3,2.2,2.1,2.1。平均CHA2DS2-VAScスコア3.4,3.8,3.7,3.7,3.5。平均HAS-BLED出血リスクスコア2.1,2.0,2.0,1.9,1.7(傾向p<0.001)。
治療法 抗凝固薬の種類,用量は担当医の裁量とした。
TTR別(標的TTRは1.6~2.6)の患者数は,<40%群342例,40~59.9%群485例,60~79.9%群1,008例,≧80%群1,538例。また,459例にはwarfarinは投与されていなかった。
追跡完了率
結果

●評価項目
血栓塞栓症および全死亡発生率はTTRが高い群で低かった(傾向p<0.001)。大出血発生率はTTR<40%群が高かった。
多変量解析によると,warfarin非投与例にくらべ,TTRが高い群ではリスクの低下がみられた。
[血栓塞栓症]
<40%群:HR 1.20,95%CI 0.59-2.41,p=0.614。
40~59.9%群:HR 0.51,95%CI 0.25-1.01,p=0.054。
60~79.9%群:HR 0.34,95%CI 0.17-0.67,p=0.002。
≧80%群:HR 0.35,95%CI 0.18-0.68,p=0.002。
[全死亡]
<40%群:HR 0.81,95%CI 0.44-1.47,p=0.487。
40~59.9%群:HR 0.60,95%CI 0.35-1.01,p=0.053。
60~79.9%群:HR 0.37,95%CI 0.22-0.65,p<0.001。
≧80%群:HR 0.43,95%CI 0.26-0.71,p=0.001。
[大出血]
<40%群:HR 5.57,95%CI 2.04-15.25,p=0.001。
40~59.9%群:HR 1.35,95%CI 0.46-3.97,p=0.583。
60~79.9%群:HR 1.99,95%CI 0.74-5.36,p=0.172。
≧80%群:HR 2.40,95%CI 0.91-6.30,p=0.076。

●有害事象

文献: Inoue H, et al.; J-RHYTHM Registry Investigators. Time in Therapeutic Range and Disease Outcomes in Elderly Japanese Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation. Circ J 2018; 82: 2510-7. pubmed
関連トライアル ACTION, ARISTOTLE major bleeding, ARISTOTLE time in therapeutic range, Grzymala-Lubanski B et al, J-RHYTHM Registry regional differences, J-RHYTHM Registry renal dysfunction, J-RHYTHM Registry use of warfarin, J-RHYTHM target INR values, JNAF-ESP, RE-LY quality of INR control, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF post hoc analysis, SPORTIF one risk factor, SPORTIF risk of bleeding
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