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NOAC服用中の虚血性脳卒中に対する静注tPA
Intravenous tPA (Tissue-Type Plasminogen Activator) in Patients With Acute Ischemic Stroke Taking Non–Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulants Preceding Stroke
結論 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)投与例に対する静注血栓溶解療法は,出血性合併症のリスクはなく,忍容性があることが示唆された。dabigatran投与例において,idarucizumabによる中和作用は転帰良好と関連する新たなストラテジーである。

目的 NOACを服用中に発症した虚血性脳卒中患者に対する静注血栓溶解療法については,成功例の報告もあるものの,その安全性は確立されておらず,有害である可能性も指摘されている。本論文では,これらの患者について文献レビューを行った。
方法 2010年1月~2018年3月に発表された論文について,PubMedにて検索した。検索は英語論文に限定した。
患者特性,薬剤最終投与のタイミング,検査データ,中和剤の使用,退院3ヵ月後までの転帰を要約した。
対象 55研究(大規模コホート研究のNOACISP[Circulation 2015; 132: 1261],GWTG-Stroke[Circulation 2017; 135: 1024]以外は症例報告または症例シリーズ研究)。
492例(静注血栓溶解療法をうけたNOAC服用例:dabigatran 181例,rivaroxaban 215例,apixaban 40例,不明56例)。
患者背景:年齢中央値77歳。女性47.4%。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)NIHSS中央値10。NOAC最終服用から症状発現までの経過時間中央値8時間(12時間以内80/145例[55.2%],13~24時間43/127例[33.9%],>24時間10/130例[7.7%])。
静注血栓溶解療法施行前にトロンビン時間,希釈トロンビン時間,抗Xa活性などの高感度検査が行われた患者はほとんどいなかった。
主な結果 ・全体の主要転帰
症候性頭蓋内出血は20/462例(4.3%),死亡は48/423例(11.3%),機能的転帰良好(NIHSS≦1,modified Rankin Score[mRS] 0~2,NIHSSの8点以上の改善)は164/375例(43.7%)であった。

・中和剤の使用
評価が可能であった152例のdabigatran投与例において,idarucizumabによる中和は機能的転帰良好と関連していたが,症候性頭蓋内出血,死亡については同程度であった。
機能的転帰良好:idarucizumab 使用34/43例(79.1%),非使用29/74例(39.2%),未補正OR 5.86,95%CI 2.45-14.00。
症候性頭蓋内出血:2/44例(4.5%)vs 8/108例(7.4%),未補正OR 0.60,0.12-2.92。
死亡:2/44例(4.5%)vs 13/108例(12.0%),未補正OR 0.35,0.08-1.61。
文献: Jin C, et al. Intravenous tPA (Tissue-Type Plasminogen Activator) in Patients With Acute Ischemic Stroke Taking Non-Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulants Preceding Stroke. Stroke 2018; 49: 2237-40. pubmed
関連トライアル Chan YH et al, Chang SH et al, da Vinci, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, De Marchis GM et al, GWTG-Stroke NOAC before stroke, GWTG-Stroke ICH and in-hospital mortality, GWTG-Stroke Registry risk of sICH, GWTG-Stroke time to treatment, Hoyer C et al, Kruetzelmann A et al, Larsen TB et al, Lip GY et al, MERCI and Multi MERCI previous IV tPA, NOAC服用中の虚血性脳卒中に対する静注tPA, PROSPER antithrombotic treatment and outcomes, REAFFIRM, Staerk L et al, TIMS-China, Yao X et al
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