抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
アブレーション施行時におけるDOAC継続投与とVKA継続投与の比較
結論 カテーテルアブレーション(アブレーション)施行非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)継続投与の安全性はビタミンK拮抗薬(VKA)継続投与と同等であることが示唆された。大/小出血の増加は認められず,大出血についてはDOACのほうがすぐれている傾向がみられた。DOACの簡便性や薬剤相互作用の少なさ,VKAと同等の安全性・有効性を鑑み,DOACをNVAF患者に対するアブレーション施行における第一選択として考慮すべきである。

目的 現行のガイドラインではエキスパートコンセンサスとして,アブレーション周術期の標準的抗凝固療法はVKA(INR 2.0~3.0),dabigatran,rivaroxabanの継続投与によるとされている。ただし,推奨の根拠となった試験はいずれも小規模なもので,DOAC継続投与を支持するエビデンスは不十分である。本メタ解析では,アブレーション施行NVAF患者において,DOAC継続投与はVKA継続投与にくらべ何らかの統計学的差異があるか,比較を行った。主要評価項目:大出血(BARC出血基準タイプ≧2),血栓塞栓イベント(脳卒中,一過性脳虚血発作,全身性塞栓症,手技後の心内血栓形成),小出血。副次評価項目:手技後の脳MRIで検出された無症候性脳梗塞(SCI)。
方法 PubMed,Embase,Cochrane Central Register of Clinical Trialsにて,2008年1月~2018年2月に発表されたRCTを検索。言語の制限は設けなかった。検索された論文の文献リストのハンドサーチも行った。
対象 (1)NVAF患者においてDOAC継続投与をVKA継続投与と比較したRCT,(2)大出血かつ/または小出血かつ/または血栓塞栓イベント,またはSCIを両群で比較。
除外:症例報告論文,主要国際学会での発表アブストラクト(論文化されていない試験)など。
主な結果 すべての評価項目について,両群間に有意差はみられなかった。
・大出血
DOAC群5.7%,VKA群9.6%,RR 0.54,95%CI 0.29-1.00,p=0.05,I2=52%。

・小出血
DOAC群13.0%,VKA群11.7%,RR 1.11,95%CI 0.82-1.52,p=0.50,I2=0%。

・血栓塞栓イベント
DOAC群0.6%,VKA群0.8%,RR 0.74,95%CI 0.26-2.11,p=0.57,I2=0%。

・手技後SCI
DOAC群17.6%,VKA群16.5%,RR 1.06,95%CI 0.74-1.53,p=0.74,I2=0%。
文献: Romero J, et al. Uninterrupted direct oral anticoagulants vs. uninterrupted vitamin K antagonists during catheter ablation of non-valvular atrial fibrillation: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Europace 2018; : . pubmed
関連トライアル DOAC投与患者における死亡転帰, Lakkireddy D et al, NOACのwarfarinに比較しての死亡率抑制効果, NVAF患者における周術期転帰:DOACとwarfarinの比較, RE-CIRCUIT, VENTURE-AF, Yoshida R et al, アブレーション周術期におけるrivaroxabanの有効性および安全性, 高齢者におけるDOACの有効性および有害性, 高齢心房細動患者における出血リスク:抗血小板薬と抗凝固薬の比較, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性, 日本人NVAF患者におけるNOACの有効性および安全性
関連記事