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Hokusai VTE genetics
結論 CYP2C9およびVKORC1遺伝子型変異を有する急性症候性静脈血栓塞栓症(VTE)例では,warfarinによる出血リスクの上昇がみられた。

目的 心房細動患者を対象にしたENGAGE AF-TIMI 48試験のサブ解析において,warfarinに対する感受性が高い症例(CYP2C9およびVKORC1遺伝子型にもとづく)は正常例にくらべwarfarin関連出血が多く,過抗凝固状態が長く続いた。この影響はwarfarin投与開始の90日間にみられたが,その後は消失した。本研究では,VTE患者を対象にしたHokusai VTE試験でも同様の現象がみられるか,warfarinの感受性についてCYP2C9およびVKORC1遺伝子型にもとづき3つのグループ(正常,感受性,超感受性)に分類し,検討を行った。
デザイン ランダム化,二重盲検,非劣性試験。NCT00986154。
セッティング 多施設(439施設),複数国。
期間
対象患者 3,956例。Hokusai VTE登録患者(≧18歳,急性症候性深部静脈血栓症[DVT;膝窩/大腿/腸骨]または急性症候性肺血栓塞栓症[DVT合併の有無は問わない])8,292例のうち,試験薬を1回以上投与された症例(全体の47.7%)。
【除外基準】heparin/warfarin禁忌,治療用量のheparinを>48時間投与,ビタミンK拮抗薬を>1用量投与,低分子heparinの長期投与が予測される癌,他のwarfarinの適応病態を有する,>100mg/日のaspirinまたは抗血小板薬2剤併用を継続,クレアチニンクリアランス(CCr)<30mL/分。
【患者背景】平均年齢は正常例55.3歳,感受性例56.5歳,超感受性例56.3歳。それぞれの男性60.4%,58.7%,53.4%。人種:白人82.6%,82.1%,82.4%,黒人6.0%,0.4%,0%,アジア人4.6%,11.5%,11.5%,その他6.7%,5.6%,5.3%。
治療法 全例にオープンラベルのheparinを5日以上投与し,以下の2群にランダム化。
edoxaban群:本解析対象は1,978例。60mg 1日1回投与。CCr 30~50mL/分,体重≦60kg,P糖蛋白拮抗薬併用投与の場合は半量投与。
warfarin群:同1,978例。最初はheparinを併用し,PT-INRが2.0~3.0となるよう用量調整投与。遺伝子型によるwarfarinに対する反応の内訳は,正常1,247例(63.0%),感受性675例(34.1%),超感受性56例(2.8%)。
追跡完了率
結果

●評価項目
正常例にくらべ,感受性例および超感受性例ではheparinが早期に中止され(p<0.001),最終週のwarfarin投与量が少なかった(p<0.001)。また,PT-INR値が3.0を上回っている時間の割合が大きかった(最初の90日間p<0.0001,全期間p=0.0004)。全期間におけるPT-INR値>3.0の時間の割合は,正常例13.1%,感受性例15.2%(正常例に対しp=0.0013),超感受性例16.8%(正常例に対しp=0.0639)。
また,感受性例および超感受性例ではwarfarinによる出血リスクの上昇がみられた(感受性例:HR 1.38,95%CI 1.11-1.71,p=0.0035,超感受性例:HR 1.79,1.09-2.99,p=0.0252)。

●有害事象

文献: Vandell AG, et al. Genetics and clinical response to warfarin and edoxaban in patients with venous thromboembolism. Heart 2017; 103: 1800-5. pubmed
関連トライアル AMPLIFY cancer patients, AuriculA INR valiability and iTTR, CATCH, ENGAGE AF-TIMI 48, ENGAGE AF-TIMI 48 dose and outcomes, ENGAGE AF-TIMI 48 renal function, ENSURE-AF, EU-PACT, Hart R et al, Hokusai-VTE, Hokusai-VTE East Asia patients, MM-WES, RE-COVER II
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