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PRAGUE-18 one year outcomes
結論 心筋梗塞(MI)発症後の1年間,prasugrelおよびticagrelorは同程度の有効性を示した。経済的事情による退院後のclopidogrelへの変更は,虚血イベントリスク上昇と関連していなかった。

目的 PRAGUE-18はprasugrelおよびticagrelorについてはじめての直接比較を行った試験であるが,早期結果(7日後/退院時)では,両剤の有効性,安全性に有意差はみられなかった。本論文は1年後の結果として,(1) prasugrelとticagrelorの有効性および安全性の比較,(2)経済的事情による退院後のclopidogrelへの変更に関連する主要虚血イベントリスクに焦点をあて,検討を行った。主要評価項目:心血管死+非致死的MI+脳卒中の複合。
デザイン PROBE(prospective, randomized, open, blinded-endpoints),第IV相試験。NCT0280867。
セッティング 多施設(14施設),チェコ。
期間 登録終了は2016年5月。追跡期間は365日(追跡終了は2017年5月)。
対象患者 1,230例。臨床所見および心電図上で2つ以上の誘導にてST上昇(≧1mm)/3つ以上の誘導にてST低下(≧2mm)/新規脚ブロックにより,急性MIと診断された患者で,primary経皮的冠動脈インターベンション(PPCI)を施行された症例。PPCIは来院から≦2時間,冠動脈血管造影±PCIと定義。
【除外基準】脳卒中既往,重篤な出血から6ヵ月以内,長期経口抗凝固療法の適応,無作為割付前のclopidogrel≧300mgまたは他の抗血小板薬(aspirinと低用量clopidogrelを除く)投与,>75歳かつ体重<60kg,中等度~重度の肝機能障害,強力なCYP3A4阻害薬併用など。
【患者背景】-
治療法 PCI施行後に、以下の2群にランダム化。
prasugrel群:634例。60mg初回+10mg/日(ただし>75歳かつ体重<60kgの患者には5mg/日)継続投与。
ticagrelor群:596例。180mg初回+90mg 1日2回を継続投与。
退院後は試験薬の医療費を患者が支払わなければならなかったため,一部の患者はclopidogrelに変更した(ticagrelor群3例については薬剤変更の日付が不明確)。
治療期間は12ヵ月とし,aspirin 100mg/日併用投与を推奨した。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
主要評価項目はprasugrel群42例(6.6%),ticagrelor群34例(5.7%)で,同程度であった(HR 1.167,95%CI 0.742-1.835,p=0.503)。
個々の項目についても有意差はみられなかった(心血管死:3.3% vs. 3.0%,p=0.769,非致死的MI:3.0% vs. 2.5%,p=0.611,脳卒中:1.1% vs. 0.7%,p=0.423)。
全死亡(4.7% vs. 4.2%,p=0.654),ステント血栓症(definite;1.1% vs. 1.5%,p=0.535),出血(10.9% vs. 11.1%,p=0.930),TIMI出血基準大出血(0.9% vs. 0.7%,p=0.754)についても,すべて同程度であった。
経済的な理由によるclopidogrelへの変更は,prasugrel 群(34.1%)のほうがticagrelor 群(44.4%)より少なかった(Bonferroni補正p=0.003)。変更前の治療期間中央値は同程度であった(8日間 vs. 8日間,p=0.789)。
経済的事情によりclopidogrelに変更した患者は,試験薬を継続した患者にくらべ,主要心血管事象リスクが低かった(ベースライン心電図上脚ブロック:1.5% vs. 4.4%,p=0.005,入院時Killip分類≧2:7.9% vs. 14.3%,p<0.001,左主幹部疾患:1.0% vs. 4.8%,p<0.001など)。また,主要評価項目(2.5% vs. 8.5%,HR 0.433,95%CI 0.210-0.894,p=0.024),出血(7.3% vs. 13.4%,HR 0.416,0.246-0.701,p=0.001)とも発症率が低かった。

●有害事象
有害事象による薬剤中止は両群で同程度であった。

文献: Motovska Z, et al.; PRAGUE-18 Study Group. 1-Year Outcomes of Patients Undergoing Primary Angioplasty for Myocardial Infarction Treated With Prasugrel Versus Ticagrelor. J Am Coll Cardiol 2018; 71: 371-81. pubmed
関連トライアル PRAGUE-18, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose
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