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Fuku Y et al
結論 sirolimus溶出性ステント(SES)留置後ステントフラクチャー(SF)またはステント周囲の造影剤染み出し(PSS)を有する症例において,抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)延長は超後期ステント血栓症および心筋梗塞リスク低下と関連していたが,SF/PSSがない例では心臓死,超後期ステント血栓症,心筋梗塞に対する有効性は認められなかった。

目的 SES留置後のSFおよびPSSは,超後期ステント血栓症に関連すると考えられている。しかしながら,SFまたはPSS患者における長期DAPTの影響は不明である。本研究では,SES留置後のSFまたはPSS患者において,1年を超えるDAPTが臨床転帰に及ぼす影響を検討した。
デザイン 後ろ向き研究。
セッティング 単施設,日本。
期間 登録期間は2002年11月~2007年10月。追跡期間6年。
対象患者 1,962例。初回SES留置患者連続例。
【除外基準】12ヵ月以内にフォローアップ造影をうけなかった患者。
【患者背景】平均年齢はthienopyridine継続群67.8歳,中止群69.6歳(p=0.001)。それぞれの男性76.6%,71.5%(p=0.02)。高血圧70.3%,72.4%。糖尿病35.0%,28.5%(p=0.006)。脂質異常症40.1%,32.8%(p=0.003)。脳卒中既往10.3%,9.5%。心筋梗塞既往41.4%,40.9%。病変:1枝病変49.4%,54.1%,2枝病変27.9%,26.2%,3枝病変13.3%,11.6%,左主幹部9.3%,8.1%。
治療法 1年間のclopidogrel 75mgまたはticlopidine 200mg投与を継続した患者をthienopyridine継続群(1,404例),1ヵ月以上の中断を中止群(558例)とした。
DAPTの推奨用量はaspirin≧81mg無期限+thienopyridine 3ヵ月以上であった。thienopyridineの投与期間は担当医の裁量とした。
追跡完了率 SES留置6年後の追跡完了率は96.7%。
結果

●評価項目
6年の追跡期間中に,超後期ステント血栓症(BARC基準definite)は16例(0.82%,0.16%/年)発症した。超後期ステント血栓症発症率はthienopyridine継続群のほうが中止群にくらべ低かったが,心臓死,出血関連死,心筋梗塞は両群で同程度であった。
超後期ステント血栓症:thienopyridine継続群0.56%,中止群1.8%,p=0.01。
心臓死:65例(5.0%),32例(6.2%),p=0.31。
出血関連死:25例(1.9%),6例(1.2%),p=0.27。
心筋梗塞:38例(3.2%),20例(4.0%),p=0.33。
また,対象患者をSF/PSSの有無によりSF/PSSあり(256例),SF/PSSなし(1,706例)に分類し,解析を行った。
SF/PSSあり例では,thienopyridine継続群のほうが中止群にくらべ超後期ステント血栓症(1.9% vs. 10.1%,p=0.003),心筋梗塞(3.5% vs. 10.3%,p=0.02)の発症率が低かったが,心臓死(3.6% vs. 4.3%,p=0.78),出血関連死(0% vs. 1.6%,p=0.12)は同程度であった。
SF/PSSなし例では,超後期ステント血栓症(0.36% vs. 0.45%,p=0.78),心筋梗塞(3.2% vs. 3.0%,p=0.93),心臓死(5.2% vs. 6.5%,p=0.32),出血関連死(2.2% vs. 1.2%,p=0.16)のいずれも,有意差は認めなかった。

●有害事象

文献: Fuku Y, et al. Impact of Dual Antiplatelet Therapy Beyond 1 Year on Clinical Outcomes of Patients With Stent Fracture or Peri-Stent Contrast Staining After Sirolimus-Eluting Stent Implantation. Circ J 2017; 82: 211-7. pubmed
関連トライアル DAPT BMS or DES, j-Cypher, TL-PAS
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