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EARLY-MYO Early Routine Catheterization after Alteplase Fibrinolysis Versus Primary PCI in Acute ST-Segment–Elevation Myocardial Infarction
結論 症状発現から6時間以内かつ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行遅延が予期されるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,alteplase半量+PCIを用いた薬理学的-侵襲的(PhI)ストラテジーは,primary PCI(PPCI)にくらべ,心外膜および心筋における完全再灌流が多かった。

目的 STEMI治療の第一選択はPPCIであるが,迅速に施行できない場合の代替療法として,発症直後の血栓溶解療法および早期カテーテル治療を組み合わせたPhIストラテジーが有効である。本研究では,発症≦6時間かつPCI施行の遅延が予期されるSTEMI患者において,半量のalteplaseを用いたPhIの有効性と安全性をPPCIと比較した。有効性主要評価項目:PCI施行後の完全な心外膜再灌流および心筋再灌流(心外膜のTIMI血流グレード3+心筋のTIMI心筋灌流[TMPG]グレード3+PCI施行60分後のST回復≧70%の複合)。安全性主要評価項目:GUSTO出血基準大出血+頭蓋内出血。
デザイン PROBE(prospective,randomized,open,blinded-endpoint),非劣性試験,intention-to-treat 解析。NCT01930682。
セッティング 多施設(7施設),中国。
期間 登録期間は2014年1月13日~2016年9月25日。追跡期間は30日。
対象患者 344例。急性STEMIを発症した患者(誘導心電図上で隣接する2つ以上の誘導にてST上昇[前胸部誘導≧2 mm,四肢誘導≧1 mm])のうち,18~75歳,発症から≦6時間,PCIに関連した手技の施行遅延が予期される症例(来院-初回バルーン拡張時間≧90分,かつ来院-初回バルーン拡張時間と来院-血栓溶解療法開始時間の差が≧60分)。
【主要除外基準】血栓溶解療法禁忌,心電図上左脚ブロック,心原性ショック,前月にPCI/バイパス手術を施行。
【患者背景】年齢中央値はPhI群59歳,PPCI群58歳。それぞれの男性89.4%,88.6%,高血圧53.4%,49.7%,糖尿病24.8%,25.6%,高コレステロール血症19.3%,25.6%,狭心症既往22.4%,29.9%。梗塞部位:前壁49.1%,52.7%。発症-来院時間中央値148分,155分。発症-再灌流治療開始時間中央値210分,280分(p<0.001)。
治療法 全例に対し,緊急治療室にてaspirin 300mg+ADP受容体阻害薬(clopidogrel 300~600mgまたはticagrelor 180mg)を投与した(これらの薬剤を12時間前までに服用していた患者には,翌日に投与)。
発症から<3時間と3~6時間に層別化後,以下の2群に無作為割付。
PhI群:171例。alteplase半量(8mgボーラス+90分以内に42mg追加)+未分画heparin(60単位/kg[最大4000単位]ボーラス+12単位/kg/時[最大1000単位/時])を投与。血栓溶解療法開始後30分ごとに18誘導心電図検査を行い,alteplase投与後90分経過してもST上昇(ST回復<50%)が継続する患者は,胸痛の有無にかかわらず血栓溶解療法の失敗とみなして緊急PCIを施行した。それ以外の患者には,血栓溶解療法開始後3~24時間以内の通常カテーテル治療実施を推奨した。残存狭窄≧50%の場合は,推定責任病変に対するPCIを行った。
PPCI群:173例。手技中は活性凝固時間350~450秒となるよう未分画heparinを投与し,通常のPPCIを施行した。
可能な限りステント(薬剤溶出ステントを推奨)を留置した。GP IIb/IIa 阻害薬の投与は,PCI施行前には許可しなかったが,カテーテル治療中および治療後は医師の判断に応じて行った。血栓吸引術についても,医師の判断に準じた。術後には抗血栓療法を実施した。
追跡完了率 100%
結果

●評価項目
PhI群において,ST回復≧50%の120例(74.5%)に通常の早期カテーテルを,同<50%の41例(25.5%)には緊急血管造影を実施した。初回血管造影時における梗塞血管のTIMI血流グレード2/3はそれぞれ104例(64.6%),17例(10.6%)。
主要評価項目について,PhI群(34.2%)はPPCI群(22.8%)に対し非劣性,さらには優越性も示した(RR 1.48,95%CI 1.04-2.10,非劣性p<0.05,優越性p=0.022)。
個々の項目については,同程度であった。
心外膜のTIMI血流グレード3:91.3% vs. 89.2%,p=0.580。
心筋のTMPGグレード3:65.8% vs. 62.9%,p=0.730。
PCI施行60分後のST回復≧70%:50.9% vs. 45.5%,p=0.377。
死亡はそれぞれ1例(0.6%)vs. 2例(1.2%)であり,梗塞再発(0.6% vs. 0.6%),心不全(13.5% vs. 16.2%)ともに両群で同程度であった。
大出血(0.6% vs. 0%,p=0.497),脳内出血(0% vs. 0%)は同程度であったが,小出血(26.9% vs. 11.0%,p<0.001)はPhI群の方が多かった。

●有害事象

文献: Pu J, et al., EARLY-MYO Investigators Efficacy and Safety of a Pharmaco-Invasive Strategy With Half-Dose Alteplase Versus Primary Angioplasty in ST-Segment-Elevation Myocardial Infarction: EARLY-MYO Trial (Early Routine Catheterization After Alteplase Fibrinolysis Versus Primary PCI in Acute ST-Segment-Elevation Myocardial Infarction). Circulation 2017; 136: 1462-73. pubmed
関連トライアル CARESS-in-AMI , ExTRACT-TIMI 25 PCI, FINESSE, STREAM, STREAM 1-year mortality
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