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REAFFIRM Effectiveness and Safety of Apixaban, Dabigatran and Rivaroxaban versus Warfarin in Patients with Nonvalvular Atrial Fibrillation and Previous Stroke or Transient Ischemic Attack
結論 脳梗塞/一過性脳虚血発作(TIA)既往を有するNVAF患者において,非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)3剤のwarfarinに対する有効性・安全性は,それぞれの第III相試験ならびに脳卒中/TIA既往サブグループの解析と比較的一致していた。脳梗塞,頭蓋内出血,大出血リスクに関し,すべてのNOACはwarfarinにくらべ同程度もしくは低下がみられた。
コメント 処方データベースを用いた本研究で,脳梗塞やTIAの既往を有するNVAF症例に対し,NOAC 3剤(ダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン)療法における脳梗塞,頭蓋内出血,および大出血の発現率が,ワルファリン療法のそれらと同等かそれ以下であることが示された。これは第III相試験のデータを支持する所見である。今後も実臨床のデータに注目し,NOACの実臨床における有用性を確認したい。(矢坂正弘

目的 脳梗塞/TIA既往を有するNVAF患者に関し,リアルワールドにおいて各NOACとwarfarinを比較したデータは少ない。本研究は処方データベースを用い,それらの患者におけるNOACの有効性および安全性をwarfarinと比較した。主要評価項目:脳梗塞+頭蓋内出血の複合。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 多施設,米国。
期間 登録期間は2012年1月~2015年6月。平均追跡期間はapixaban群0.5年, dabigatran群0.6年,rivaroxaban群0.6年。
対象患者 9,684例。Truven MarketScanデータベース(1億7,000万人を擁する処方データベース)登録者のうち,はじめて経口抗凝固薬を処方された日(開始日)までの180日間に経口抗凝固薬を服用しておらず,新規にapixaban/dabigatran/rivaroxaban/warfarin標準用量を処方,開始日に≧18歳,脳梗塞/TIAの既往あり,心房細動に関するICD-9-CM診断コードが複数あり,かつ心臓弁膜症を示唆するICD-9-CMコードがない,開始日以前に180日以上継続して(ベースライン期間)医療/薬剤保障プランに加入していた症例。
【除外基準】一過性の原因によるNVAF,静脈血栓塞栓症,股/膝関節形成術,悪性がんまたは妊娠,開始日/追跡期間中に2剤以上の経口抗凝固薬を処方。
【患者背景】年齢中央値はapixaban群74歳,dabigatran群73歳,rivaroxaban群72歳。それぞれの男性54.0%,51.8%,53.1%。併存疾患:高血圧84.2%,73.2%,76.9%,糖尿病33.4%,32.8%,32.5%,心不全19.6%,18.0%,18.6%,大出血既往6.1%,3.8%,4.6%。抗血小板薬/NSAIDs 35.4%,31.7%,35.1%。リスクスコア(すべて中央値を示す):CHADS2スコア4,4,4,CHA2DS2-VAScスコア5,5,5,修正HASBLEDスコア4,3,3,修正SAMe-TT2R2スコア2,2,2,チャールソン併存疾患指数3,3,3。
各NOAC群の対照となる各warfarin群の患者背景については,バランスがよく取れていた(差<10%)。
治療法 apixaban群:1,257例。5mg 1日2回投与。
dabigatran群:981例。150mg 1日2回投与。
rivaroxaban群:2,604例。20mg 1日1回投与。
warfarin群(1,257例/981例/2,604例):ベースライン期間における年齢,性別,併存疾患,非経口抗凝固薬の併用投与,CHADS2/ CHA2DS2-VASc/修正HASBLEDスコアの個々の項目,修正SAMe-TT2R2スコア,チャールソン併存疾患指数などを加味した傾向スコアが,apixaban群/dabigatran群/rivaroxaban群それぞれと1:1で合致した症例。
追跡は,主要評価項目/大出血,開始された経口抗凝固療法の変更/中止,保険の解約,追跡期間終了まで行った。
追跡完了率
結果

●評価項目
主要評価項目はwarfarin群にくらべ,apixaban群およびdabigatran群では同程度であったが,rivaroxaban群では有意に減少した。
apixaban群:2.02%/年,warfarin群2.71%/年,HR 0.70,95%CI 0.33-1.48。
dabigatran群:2.01%/年,warfarin群3.10%/年,HR 0.53,0.26-1.07。
rivaroxaban群:1.67%/年,warfarin群3.78%/年,HR 0.45,0.29-0.72,p=0.001。
脳梗塞もwarfarin群にくらべ,apixaban群およびdabigatran群では同程度であったが,rivaroxaban群では有意に減少した。
apixaban群:2.02%/年,warfarin群2.40%/年,HR 0.79,0.37-1.72。
dabigatran群:1.85%/年,warfarin群3.10%/年,HR 0.60,0.28-1.27。
rivaroxaban群:1.37%/年,warfarin群2.99%/年,HR 0.48,0.29-0.79。
頭蓋内出血はNOAC 3剤において0.16~0.61%/年で,いずれもwarfarin群と同程度であった。
大出血は3群とも同程度であった。
apixaban群:2.21%/年,warfarin群2.74%/年,HR 0.79,0.38-1.64。
dabigatran群:1.69%/年,warfarin群2.91%/年,HR 0.58,0.26-1.27。
rivaroxaban群:3.09%/年,warfarin群3.02%/年,HR 1.07,0.71-1.61。

●有害事象

文献: Coleman CI, et al. Effectiveness and Safety of Apixaban, Dabigatran, and Rivaroxaban Versus Warfarin in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation and Previous Stroke or Transient Ischemic Attack. Stroke 2017; 48: 2142-2149. pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, ANNEXA-4 interim report, ARISTOTLE, ARISTOTLE according to age, ARISTOTLE major bleeding, ARISTOTLE outcome of major bleeding, ARISTOTLE previous stroke/TIA, AVERROES bleeding, BRIDGE, Chan YH et al, da Vinci, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, EAFT 1993, Flynn RW et al, Hernandez I et al, Jackevicius CA et al, Larsen TB et al, Lau WCY et al, Lip GY et al, Nakamura K et al, ORBIT-AF II Registry off-label dosing, RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY previous TIA or stroke, ROCKET AF, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF intracranial hemorrhage, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF temporary interruption, VTE治療の新規経口抗凝固薬の間接比較, Yao X et al, 抗血栓薬使用,脳内微小出血および脳内出血, 心房細動患者に対する脳卒中予防療法における年齢効果, 新規経口抗凝固薬による頭蓋内出血リスクの抑制, 頭蓋内出血後の抗凝固療法再開
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