抗血栓トライアルデータベース
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結論 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,再灌流療法としての血栓溶解薬の有効性・安全性には差異がみられた。alteplase加速注入,tenecteplase,reteplaseはstreptokinase,alteplase非加速注入より考慮されるべきである。血栓溶解薬へのGP IIb/IIIa阻害薬追加は推奨できない。

目的 STEMI患者に対する治療としては経皮的冠インターベンション(PCI)が推奨されているが,適切な時間内に行うことができないなどの場合,血栓溶解療法はその代替となる。しかしながら,異なる血栓溶解薬を比較した包括的エビデンスはまだ得られていない。本研究ではネットワークメタ解析の手法を用い,さまざまな血栓溶解薬の臨床転帰に対する影響を評価した。有効性主要評価項目:30~35日以内の全死亡,安全性主要評価項目:BARC出血基準大出血(3a,3b,3c)。CRD42016042131。
方法 PubMed,Embase,Cochrane Library database,WHO国際臨床試験登録プラットフォームにて,それぞれの開設日から2017年2月28日まで検索。関連研究の文献リストのスクリーニングも行った。
検索対象:成人STEMI患者において,再灌流療法として認可されている血栓溶解薬(streptokinase,tenecteplase,alteplase,reteplase)を比較したRCT。単独/補助的抗血栓療法併用,他の血栓溶解薬/プラセボ/治療なしとの比較の別は問わなかった。
除外:facilitated PCI(血栓溶解薬投与後PCI施行)を評価した試験,初回PCIと血栓溶解薬との比較試験。
対象 40試験,128,071例(平均年齢58.5歳,心筋梗塞既往13.6%,PCI施行歴17.2%)。
血栓溶解薬12剤を検討。
主な結果 ・全死亡(39試験,127,987例)
従来型レジメン(streptokinase+非経口抗凝固薬およびalteplase非加速注入+非経口抗凝固薬)はalteplase加速注入+非経口抗凝固薬にくらべ,全死亡リスク上昇と関連していた。
streptokinase+非経口抗凝固薬:RR 1.14,95%CI 1.05-1.24。
alteplase非加速注入+非経口抗凝固薬:RR 1.26,1.10-1.45。
alteplase加速注入,tenecteplase,reteplaseについては,死亡リスクの群間差は認められなかった。

・大出血(32試験,123,907例)
alteplase非加速注入+非経口抗凝固薬はalteplase加速注入+非経口抗凝固薬にくらべ,大出血リスクが低下した。
streptokinase+非経口抗凝固薬:RR 0.92,95%CI 0.70-1.21。
alteplase非加速注入+非経口抗凝固薬:RR 0.63,0.44-0.92。
血栓溶解薬へのGP IIb/IIIa阻害薬追加はalteplase加速注入にくらべ,大出血リスクを上昇させた。
tenecteplase+非経口抗凝固薬+GP IIb/IIIa阻害薬:RR 1.47,1.10-1.98。
reteplase+非経口抗凝固薬+GP IIb/IIIa阻害薬:RR 1.88,1.24-2.86。
tenecteplaseをベースとしたレジメンは他の薬剤にくらべ,出血リスク低下と関連する傾向がみられた。
tenecteplase +非経口抗凝固薬:RR 0.79,0.63-1.00。
reteplase+非経口抗凝固薬:RR 0.88,0.69-1.12。
文献: Jinatongthai P, et al. Comparative efficacy and safety of reperfusion therapy with fibrinolytic agents in patients with ST-segment elevation myocardial infarction: a systematic review and network meta-analysis. Lancet 2017; 390: 747-759. pubmed
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