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ACTION Registry-GWTG clopidogrel reloading
結論 入院前にclopidogrelを投与されていた心筋梗塞(MI)患者において,clopidogrel 負荷用量再投与は多く行われており,特にST上昇型MI(STEMI)患者で多かった。clopidogrel負荷用量再投与による出血ならびに死亡リスク上昇は認められず,負荷用量再投与は多くのMI患者で安全に可能のようである。

目的 clopidogrel服用中のNSTEMI/STEMI患者に対し,負荷用量再投与は維持用量再投与にくらべ抗血小板阻害作用が強まるが,その臨床的意義は不明である。本研究では,進行中のMI患者登録研究ACTION Registry-GWTGのデータを用い,負荷用量再投与例における臨床および治療の特性を維持用量再投与例と比較し,また負荷用量再投与と院内大出血および死亡との関連を検討した。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設(735施設),米国。
期間 試験期間は2009年7月~2014年12月。
対象患者 51,524例(STEMI患者12,366例+NSTEMI患者39,158例)。ACTION Registry-GWTG登録患者(当該期間にPCI施行可能な施設に入院した患者)599,281例のうち,入院後24時間以内にclopidogrel負荷用量の再投与をうけた症例。
【除外基準】入院前にclopidogrelを服用していない,血管造影またはP2Y12阻害薬禁忌,症状発現後24時間以内にP2Y12阻害薬を服用していない,入院後24時間以内にprasugrel/ticagrelorへ切り替えなど。
【患者背景】年齢中央値はSTEMI患者負荷用量再投与群63歳,非投与群66歳*;NSTEMI患者負荷用量群66歳,非投与群68歳*。それぞれの女性31.6%,36.8%*;33.7%,38.5%*。病歴:MI既往56.4%,61.3%*;58.9%,60.3%(p=0.010),心不全既往13.1%,20.9%*;22.0%,29.5%*,PCI歴69.7%,69.5%;71.6%,72.4%,CABG歴19.1%,29.3%*;34.8%,38.9%*,高血圧87.7%,90.2%*;91.9%,93.6%*,入院前のaspirin服用76.4%,76.7%;79.2%,79.2%。*p<0.001
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
入院前にclopidogrelを投与されていた患者において,STEMI患者では9,369例(75.8%),NSTEMI患者では10,144例(25.9%)が,≧300mgの負荷用量を投与された。
負荷用量再投与例は若齢で,合併症が少なく,STEMI患者ではprimary PCI,NSTEMI患者では侵襲的治療を多くうけていた(患者背景の項参照)。
大出血リスクについて,再負荷の有無による差異はなかった。
STEMI:負荷用量再投与群10.6% vs. 非投与群11.3%,未補正p=0.26,OR 0.98,95%CI 0.85-1.13。
NSTEMI:7.0% vs. 7.3%,未補正p=0.33,OR 1.00,95%CI 0.90-1.11。
STEMI患者において,clopidogrel負荷用量再投与は院内死亡率抑制と関連していたが,NSTEMI患者では同程度であった。
STEMI:負荷用量再投与群4.5% vs. 非投与群7.3%,未補正p<0.001,OR 0.80,95%CI 0.66-0.96。
NSTEMI:2.2% vs. 2.2%,未補正p=0.88,OR 1.13,95%CI 0.93-1.37。

●有害事象

文献: Doll JA, et al. Clopidogrel reloading for patients with acute myocardial infarction already on clopidogrel therapy. Eur Heart J 2017; : . pubmed
関連トライアル ACCOAST-PCI, ACTION Registry-GWTG stratified analysis, Austrian Acute PCI Registry, CRUSADE registry bleeding and mortality, FAST-MI CYP2C19 and PPI, MHI Level 1 MI programme, PCI-CLARITY, SCAAR upstream clopidogrel treatment, Solomon MD et al, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose
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