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Rivera-Caravaca JM et al Cessation of oral anticoagulation is an important risk factor for stroke and mortality in atrial fibrillation patients. Cessation of oral anticoagulation is an important risk factor for stroke and mortality in atrial fibrillation patients
結論 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,経口抗凝固療法(OAC)の中止は脳卒中,有害心血管イベント,死亡リスクと独立して関連していた。出血イベントやいくつかの出血リスク上昇関連因子は,OAC中止の原因であった。

目的 心房細動患者における脳卒中および死亡の予防について,OACは非常に有効である。しかし高齢者では,出血リスクが高い,あるいは至適治療域内時間に到達するのが困難な時に,服用を中止することがしばしばみられる。本研究では,リアルワールドにおける心房細動患者を長期間追跡し,OAC中止の頻度,中止の要因,臨床転帰との関連を解析した。主要評価項目:有害心血管イベント(脳卒中,一過性脳虚血発作[TIA],全身性塞栓症,急性冠症候群[ACS],急性心不全,心臓死の複合),IISTH出血基準大出血
デザイン 前向き登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 単施設,スペイン。
期間 登録期間は2007年5月1日~12月1日。追跡期間中央値6.5年。
対象患者 1,361例。VKAの治療域(INR 2.0~3.0)が6ヵ月以上安定している発作性/持続性/永続性非弁膜症性心房細動患者連続例。
【除外基準】人工弁,弁膜症性心房細動,急性冠症候群,脳卒中,入院/外科的インターベンションにつながる血行動態不安定から6ヵ月以内。
【患者背景】年齢中央値は76歳。男性48.7%。合併症:高血圧82.0%,糖尿病26.7%,心不全31.5%,脳卒中/TIA/血栓塞栓症19.6%,末梢血管疾患7.4%,腎不全10.6%,貧血18.7%,冠動脈疾患18.7%,高コレステロール血症32.5%,現喫煙15.4%。抗血小板療法18.0%。CHADS2スコア中央値2。CHA2DS2-VAScスコア中央値4。HAS-BLED出血リスクスコア中央値2。登録から6ヵ月後のTTR中央値80%。
治療法 acenocoumarolを用量調整投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
追跡期間中のイベント発症率は,血栓塞栓イベント244例(2.76%/年),大出血250例(2.83%/年),死亡551例(6.23%/年)。
OACを中止したのは136例(10%)。中止後,85例はaspirin,21例は低分子量heparinの予防用量が投与されたが,30例には何の抗血栓療法も行われなかった。69例はビタミンK拮抗薬(VKA)から非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)に切り替えられたが,これらの患者はOAC継続とした。
OAC中止後,血栓塞栓イベント36例(2.6%,このうち脳卒中22例),大出血10例(0.7%),死亡75例(5.5%)が発生した。
OACの中止は,有害心血管イベント(HR 1.45,95%CI 1.01-2.08,p=0.043),脳卒中/TIA発作(HR 1.85,1.17-2.94,p=0.009),全死亡(HR 1.30,1.02-1.67,p=0.034)と独立して関連していた。
OAC中止の独立予測因子は,登録時80歳以上(HR 2.29,95%CI 1.60-3.29,p<0.001),冠動脈疾患既往(HR 0.32,0.15-0.71,p=0.005),追跡期間中のイベント発症(大出血:HR 5.00,3.49-7.15,p<0.001,心不全:HR 2.38,1.26-4.47,p=0.007,癌:HR 5.24,3.25-8.44,p<0.001,腎機能障害:HR 2.70,1.26-5.75,p=0.010)。

●有害事象

文献: Rivera-Caravaca JM, et al. Cessation of oral anticoagulation is an important risk factor for stroke and mortality in atrial fibrillation patients. Thromb Haemost 2017; 117: 1448-54. pubmed
関連トライアル ACTIVE W paroxysmal vs sustained, Fushimi AF Registry, Fushimi AF Registry DOAC use, Kim TH et al, Lamberts M et al, Loire Valley Atrial Fibrillation Project, Ontario Stroke Registry, ORBIT-AF, Roldan V et al, Swedish Atrial Fibrillation cohort study, 心房細動患者に対する脳卒中予防療法における年齢効果
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