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RE-CIRCUIT
結論 心房細動に対しアブレーションを施行した患者において,dabigatran継続投与はwarfarin継続投与にくらべ,出血性合併症発症率低下と関連していた。

目的 心房細動に対するアブレーション施行時,通常warfarinは継続して投与するが,dabigatranのような非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)は投与を中断する。NOACについても継続投与がより安全と予想されるが,これを示す比較試験のデータは乏しい。本試験では,心房細動に対するアブレーション周術期において,dabigatran継続投与の安全性および有効性をwarfarin継続投与と比較した。主要評価項目:ISTH出血基準大出血
デザイン PROBE(prospective,randomized,open,blinded-endpoint)試験。NCT02348723。
セッティング 多施設(104施設),11ヵ国(日本を含む)。
期間 登録期間は2015年4月~2016年7月。追跡期間は8週間。
対象患者 635例。≧18歳,アブレーション施行を予定された発作性または持続性非弁膜症性心房細動患者のうち,24ヵ月以内の心房細動の記録があり,dabigatran(150mg 1日2回)治療適応例。
【除外基準】永続性心房細動,明らかに可逆的な要因による二次性心房細動,弁膜症性心房細動。
【患者背景】平均年齢はdabigatran群59.1歳,warfarin群59.3歳。それぞれの男性72.6%,77.0%,平均CHA2DS2-VAScスコア2.0,2.2。既往:うっ血性心不全9.8%,10.7%,冠動脈疾患10.1%,15.1%,高血圧52.4%,55.7%,脳卒中3.2%,2.8%,消化管出血/胃炎7.6%,6.6%,糖尿病9.5%,10.7%。心房細動:発作性67.2%,68.9%,持続性27.1%,25.5%。抗凝固療法:ビタミンK拮抗薬(VKA)28.1%,25.4%,dabigatran 13.3%,10.7%,rivaroxaban 8.6%,8.6%,apixaban 6.2%,8.9%。
治療法 以下の2群に無作為割付。
dabigatran群:317例。150mg 1日2回投与。
warfarin群:318例。INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
以前にVKAを服用していた患者では,warfarin群に割り付けられた場合はINR<3.0(70歳以上の日本人患者では<2.6)となってから,dabigatran群の場合はINR<2.0となってから試験薬投与を開始した。
試験はスクリーニング期間(0~2週間)の後,4~8週間の継続抗凝固治療(warfarin投与例は安定した抗凝固治療域を達成)を経てアブレーションを施行。以後8週間を手技後治療期間とし投与を継続し,さらに1週間追跡を行った。
左房血栓を除外するため,経食道心エコーを全例に手技前に実施した。未分画heparinは大腿シース留置後,経心房中隔穿刺前あるいは直後に投与した。手技中は活性化凝固時間≧300秒の達成,維持を推奨した。dabigatranは,手技施行当日朝・夜とも通常通りの時間に投与した。
追跡完了率
結果

●評価項目
アブレーション周術期および手技後8週間までの大出血はdabigatran群5例(1.6%)においてwarfarin群22例(6.9%)にくらべ少なかった(絶対差-5.3パーセンジポイント,95%CI -8.4~-2.2,p<0.001,HR 0.22,95%CI 0.08~0.59)。心タンポナーデ(dabigatran群1例,warfarin群6例),鼠径部血腫(それぞれ0例,8例)についても,dabigatran群のほうが少なかった。
小出血はdabigatran群59例(18.6%),warfarin群54例(17.0%)で,同程度であった。
脳卒中,全身性塞栓症,一過性脳虚血発作(TIA)はdabigatran群では発症せず,warfarin群でTIA 1例を認めた。

●有害事象
重篤な有害事象はdabigatran群18.6%,warfarin群22.2%,うち入院を要するものはそれぞれ7.7%,10.1%であった。死亡は認めなかった。投与中止につながる有害事象は5.6%, 2.4%。

文献: Calkins H, et al.; RE-CIRCUIT Investigators. Uninterrupted Dabigatran versus Warfarin for Ablation in Atrial Fibrillation. N Engl J Med 2017; 376: 1627-1636. pubmed
関連トライアル COMPARE, COMPARE, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, Larsen TB et al, RE-LY quality of INR control, RE-LY quality of INR control
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