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Jackevicius CA et al
結論 実地臨床における非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の非継続の割合は高く,薬剤服用開始6ヵ月後,dabigatran群,rivaroxaban群とも1/3が継続していなかった。両剤とも,非継続は臨床転帰悪化と有意に関連していた。
コメント NOACは継続してこそ効果を発揮する。中止例では継続例にくらべて心血管イベントがdabigatranで3.75倍,rivaroxaban群で6.25倍と,著明に高くなる。6ヵ月後の非継続率が3割以上と高いことから,日常診療において服薬の確認,残薬チェックを毎回行うこと,飲み忘れにより効果がすみやかになくなることを,患者に常に意識づけることが大事であろう。warfarin服用歴のある患者で継続率が高いのは,脳梗塞予防の重要性,NOACの服薬,採血の簡便性をよりよく認識しているからであろう。(是恒之宏

目的 NOACはwarfarinにくらべ利便性にすぐれるが,モニタリングが不要であるために非継続の傾向となる可能性がある。非継続の割合は研究により異なり,dabigatranでは23~49%,rivaroxabanでは19~42%と報告されている。本研究は,地域住民をベースとした大規模コホートにおいて,dabigatranおよびrivaroxabanの非継続の割合,ならびに臨床転帰との関連について検討した。主要評価項目:脳卒中+一過性脳虚血発作(TIA)+死亡の複合。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 多施設,カナダ。
期間
対象患者 25,976例。1998年1月1日~2014年3月1日,心房細動または主要合併症のための入院から退院した≧65歳の患者のうち,2012年4月1日~2014年3月31日にdabigatranまたはrivaroxabanの処方を1回以上うけた症例。
【除外基準】apixaban処方例。
【患者背景】平均年齢はdabigatran群80.68歳,rivaroxaban群76.96歳。それぞれの男性47.8%,47.2%。併存疾患:冠動脈疾患34.0%,34.5%,糖尿病26.1%,26.4%,心不全32.5%,34.1%,高血圧59.2%,60.8%。最終入院時の平均CHADS2スコア2.01,2.04。最終入院時のCHA2DS2-VAScスコア3.70,3.96。前年のwarfarin服用52.6%,55.7%。
治療法 dabigatran処方例は15,857例,rivaroxaban処方例は10,119例。
非継続は,dabigatranあるいはrivaroxaban処方期間の14日以上の空白と定義した。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
6ヵ月後,dabigatran 群36.4%,rivaroxaban 群31.9%が薬剤を継続していなかった(非継続)。非継続の関連因子は,dabigatran群では男性(OR 1.08,95%CI 1.01-1.16),rivaroxaban群では男性(OR 1.18,1.08-1.30),農村部居住(OR 0.86,0.75-0.99),warfarin前服用(OR 0.86,0.78-0.95),内科医受診(総合診療医に対し,OR 1.17,1.03-1.33)であった。
dabigatran群の非継続例のうち11.6%はwarfarinへ,5.6%はrivaroxabanへ,0.9%ではapixabanへ変更,73.0%ではdabigatranを再開したが,8.9%では抗凝固療法を完全に中止した。rivaroxaban群では,13.7%はwarfarinへ,3.2%はdabigatranへ,2.5%はapixabanへ変更,62.9%ではrivaroxabanを再開したが,17.7%では抗凝固療法を完全に中止した。
主要評価項目発症率は両群とも,非継続例のほうが継続例より有意に高かった。
dabigatran:HR 1.76,1.60-1.94,p<0.0001。
rivaroxaban:HR 1.89,1.64-2.19,p<0.0001。
特に,脳卒中/TIA発症率は非継続例で顕著に高かった。
dabigatran:HR 3.75,2.59-5.43,p<0.0001。
rivaroxaban:HR 6.25,3.37-11.58,p<0.0001。

●有害事象

文献: Jackevicius CA, et al. Early non-persistence with dabigatran and rivaroxaban in patients with atrial fibrillation. Heart 2017; : . pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, Larsen TB et al, Lip GY et al, ROCKET AF previous stroke/TIA
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