抗血栓トライアルデータベース
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Fushimi AF Registry DOAC use
結論 リアルワールドの心房細動患者において,脳卒中/全身性塞栓イベント,大出血とも,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)とワルファリンの間に有意差を認めなかった。

目的 リアルワールドの心房細動患者におけるDOACの現状および転帰については,これまでに大規模な検討はなされていない。本研究では,前向きの大規模患者集団において,OACの経時的変化,ならびにDOACのwarfarinに対する臨床転帰を検討した。本解析の主要評価項目:脳卒中または全身性塞栓イベント。副次評価項目:ISTH出血基準大出血
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設(80施設),日本。
期間 本解析対象患者の登録期間は2011年3月~2015年11月末。追跡期間中央値3.0年。
対象患者 3,731例。Fushimi AF Registry 登録患者(12誘導心電図またはホルター心電計にて心房細動が確認された患者。確認時点は不問)4,441例のうち,1年の追跡データが得られた症例。
【除外基準】なし。
【患者背景】年齢はwarfarin群74.4歳,DOAC群72.0歳,非OAC群73.1歳*。各群の男性62%,62%,57%(p=0.008)。BMI 23.2,23.9,22.7*。心房細動の種類:慢性57%,33%,29%,持続性8%,16%,8%*,発作性35%,51%,62%。CHADS2スコア2.3,2.0,1.8*CHA2DS2-VAScスコア3.7,3.2,3.1*。HAS-BLEDスコア1.7,1.5,1.6(p=0.003)。脳卒中既往24%,17%,13%*。大出血既往3.7%,3.3%,4.2%。抗血小板薬25%,17%,34%*。warfarin群のINR 1.83。%以外は平均値を示す。*p<0.001
治療法 ベースライン時の抗凝固療法は,warfarin 1,728例,DOAC 270例,非OAC 1,733例。
追跡完了率 89.6%。
結果

●評価項目
OAC実施率(OAC単独およびOAC+抗血小板薬併用)は,2011年の53%から2015年には64%に上昇した。
OACの内訳(2011年→2015年)は,warfarin 51%→37%,DOAC 2%→26%,非OAC 47%→36%。4年間にOACの状態は変動したものの,DOACの正味の使用率は年々上昇した。
追跡期間中,脳卒中/全身性塞栓イベントは224例(2.3%/年),大出血は177例(1.8%/年)発症した。
時間依存性共変量としてOACの変更を組み入れたCox比例ハザードモデルを用いた解析では,DOACの使用はwarfarinにくらべ,イベントとの関連を認めなかった。
脳卒中/全身性塞栓イベント:HR 0.95,95%CI 0.59-1.51,p=0.82。
大出血:HR 0.82,95%CI 0.50-1.36,p=0.45。
それぞれの独立リスク因子は以下の通り。
[脳卒中/全身性塞栓イベント]
年齢(10歳上昇ごと):HR 1.51,1.29-1.76,p<0.001。
ベースライン時の脳卒中既往:HR 1.75,1.31-2.32,p<0.001。
[大出血]
腎機能異常:HR 2.87,1.67-4.95,p<0.001。
大出血既往:HR 3.46,2.04-5.85,p<0.001。
年齢(10歳上昇ごと):HR 1.31,1.11-1.55,p=0.001。
抗血小板薬使用:HR 1.40,1.03-1.91,p=0.03。

●有害事象

文献: Yamashita Y, et al. Current Status and Outcomes of Direct Oral Anticoagulant Use in Real-World Atrial Fibrillation Patients - Fushimi AF Registry. Circ J 2017; : . pubmed
関連トライアル COMPARE, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, RE-LY quality of INR control
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