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TOPIC Timing of Platelet Inhibition after Acute Coronary Syndrome
結論 急性冠症候群(ACS)発症1ヵ月後,抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の構成薬切り替え(新規P2Y12阻害薬からclopidogrelへ)は,虚血イベントを増加させることなく,出血性合併症を抑制した。

目的 ACS後の患者の虚血イベント抑制について,新規P2Y12阻害薬(prasugrelおよび ticagrelor)は,clopidogrelよりすぐれたベネフィットを示したものの,維持期における出血性合併症リスクの上昇がみられた。本試験では,ACS発症後1ヵ月有害イベントが発症しなかった患者において,DAPTの構成薬をaspirin+P2Y12阻害薬からaspirin+clopidogrelへ切り替えることのベネフィットを評価した。主要評価項目:ACS発症1年後の心血管死+緊急冠血行再建術にいたる予定外の入院+脳卒中+BARC出血基準タイプ≧2の出血の複合。
デザイン PROBE試験。NCT02099422。
セッティング 単施設,フランス。
期間 登録期間は2014年3月~2016年5月。両群の追跡期間中央値は359日。
対象患者 646例。72時間以内のPCI施行が必要なACSのため入院,退院時にaspirin+P2Y12阻害薬併用,ACS発症後1ヵ月間主要有害イベントがない,>18歳の患者。PCIの適応は現行のESCガイドラインにしたがった。
【除外基準】頭蓋内出血既往,aspirin,clopidogrel,prasugrel,ticagrelor禁忌,ACS診断後1ヵ月以内の主要有害イベント(虚血性/出血性),血小板減少症,BARC出血基準大出血発症から12ヵ月以内,長期抗凝固療法(新規P2Y12阻害薬禁忌),妊娠。
【患者背景】平均年齢は切り替え群60.6歳,継続群59.6歳。各群の男性81%,84%。BMI 27.1,27.3。病歴:高血圧47%,50%,2型糖尿病26%,29%,脂質異常症42%,46%,現喫煙45%,44%,冠動脈疾患既往31%,30%。抗血小板薬:ticagrelor 44%,42%,prasugrel 56%,59%。症状:ST上昇型心筋梗塞36%,43%,不安定狭心症/非ST上昇型心筋梗塞64%,57%。
治療法 入院中,未治療患者にはaspirin負荷用量300mgを投与。またPCI施行前にはP2Y12阻害薬負荷用量(ticagrelor 180mgまたはprasugrel 60mg)を投与した。退院時には,担当医の判断によりaspirin+ticagrelor 90mg 1日2回またはprasugrel 10mg 1日1回を投与し,1ヵ月後に以下の2群に無作為割付。
切り替え群:323例。aspirin 75mg+clopidogrel 75mg併用。
継続群:323例。無作為割付前のaspirin+P2Y12阻害薬を継続投与。
追跡完了率 1年後の追跡完了は切り替え群316例(98.1%),継続群318例(98.5%)。
結果

●評価項目
1年後の薬剤継続率は,切り替え群(86.0%)のほうが継続群(74.9%)より高かった(p<0.01)。
主要評価項目は,切り替え群43例(13.4%)のほうが継続群85例(26.3%)より少なかった(HR 0.48,95%CI 0.34-0.68,p<0.01)。
虚血イベントについては有意差を認めなかったが,大出血は切り替え群のほうが継続群より少なかった。
全虚血イベント:切り替え群30例(9.3%),継続群37例(11.5%),HR 0.80,95%CI 0.50-1.29,p=0.36。
心血管死:1例(0.3%),4例(1.2%),HR 0.30,95%CI 0.05-1.73,p=0.18。
予定外の血行再建術:28例(8.7%),30例(9.3%),HR 0.93,95%CI 0.56-1.55,p=0.78。
脳卒中:1例(0.3%),3例(0.9%),HR 0.37,95%CI 0.05-2.60,p=0.32。
BARC出血基準タイプ≧2の出血:13例(4.0%),48例(14.9%),HR 0.30,95%CI 0.18-0.50,p<0.01。

●有害事象

文献: Cuisset T, et al. Benefit of switching dual antiplatelet therapy after acute coronary syndrome: the TOPIC (timing of platelet inhibition after acute coronary syndrome) randomized study. Eur Heart J 2017; : . pubmed
関連トライアル GEMINI-ACS-1, GRAPE Registry, ITALIC, PRODIGY impact of clinical presentation, Varenhorst C et al
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