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Hernandez I et al
結論 抗凝固療法中に大出血が発症した心房細動患者において,dabigatranはwarfarinまたは抗凝固薬中止にくらべ,ベネフィット/リスク比が優れていた。

目的 抗凝固療法中に大出血が発症した心房細動患者において,抗凝固療法の再開/中断の最適な管理は不明である。NOACはwarfarinにくらべ頭蓋内出血リスクが低いことなどから,大出血発症後の抗凝固療法再開に関連する転帰はNOACとwarfarinとでは異なる可能性がある。本研究ではdabigatranまたはwarfarin服用中に大出血が発症した心房細動患者において,大出血発症後の抗凝固薬の使用を評価した。また,大出血発症後の転帰について,抗凝固薬を中止した患者とwarfarinまたはdabigatranを再開した患者の間で比較を行った。有効性主要評価項目:脳梗塞,全死亡,脳梗塞と全死亡の複合。安全性主要評価項目:大出血,すべての出血イベント再発。
デザイン 観察研究。
セッティング
期間 登録期間は2010年10月19日~2012年6月30日。追跡期間は2012年12月31日まで。
対象患者 1,539例。メディケアおよびメディケイドサービスの施設におけるメディケア受益者の5%のランダムサンプルより,登録期間に心房細動と診断され,dabigatranまたはwarfarinの処方をうけた患者を同定。そのうち,追跡期間中に入院を必要とする大出血発症後,退院した症例。
【除外基準】2010年10月19日以前の6ヵ月の間にwarfarinを処方された患者,大出血後発症後rivaroxabanに変更した患者。
【患者背景】dabigatranコホート:平均年齢(p=0.005)dabigatran再開群79.64歳,抗凝固薬中止群81.9歳,warfarinに変更群78.73歳。それぞれの男性35.0%,31.3%,32.9%。大出血の種類(p<0.001):消化管出血78.6%,84.8%,74.7%,頭蓋内出血0%,10.6%,7.1%。
warfarinコホート:平均年齢(p<0.001)warfarin再開群77.95歳,抗凝固薬中止群80.20歳,dabigatranに変更群76.15歳。男性45.3%,39.5%,52.0%。大出血の種類(p<0.001):頭蓋内出血4.1%,18.5%,12.0%,消化管出血69.6%,68.1%,76.0%。
治療法 大出血発症時の抗凝固療法別に,dabigatranコホート404例(dabigatran再開117例+抗凝固薬中止217例+warfarinに変更70例),warfarinコホート1,135例(warfarin再開484例+抗凝固薬中止626例+dabigatranに変更25例)に分類し,解析した。
追跡完了率
結果

●評価項目
当該大出血発症後の抗凝固療法再開率はdabigatranコホート49%,warfarinコホート47%で,同程度であった。しかし,dabigatranコホートのほうがwarfarinコホートより薬剤を変更(dabigatranからwarfarinへ変更,またはその逆)した割合が高かった(17% vs. 2%,p<0.001)。
warfarin再開またはdabigatran再開は,経口抗凝固薬非再開と比べて,脳梗塞/全死亡の複合が少なかった。
warfarin再開群:HR 0.76,95%CI 0.59-0.97。
dabigatran再開群:HR 0.66,95%CI 0.44-0.99。
経口抗凝固薬非再開と比べ,warfarin再開群は大出血再発が多かったが,dabigatran再開群では有意に少なかった。
warfarin再開群:HR 1.56,95%CI 1.10-2.22。
dabigatran再開群:HR 0.42,95%CI 0.21-0.84。

●有害事象

文献: Hernandez I, et al. Anticoagulation Use and Clinical Outcomes After Major Bleeding on Dabigatran or Warfarin in Atrial Fibrillation. Stroke 2017; 48: 159-166. pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, Graham DJ et al, Hernandez I et al, Larsen TB et al, Larsen TB et al, Majeed A et al, RE-LY Asian subgroup
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