抗血栓トライアルデータベース
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抗凝固療法中の心房細動患者における死因
結論 現在の心房細動患者のトライアルにおいて,死亡の多くは心臓関連死であり,脳卒中や出血によるものは少なかった。心房細動患者の死亡率をさらに低減するためには,抗凝固療法を超えた介入が必要である。

目的 経口抗凝固療法は心房細動患者の死亡リスクを低減させるが,死亡率をさらに抑制するためには,死因の調査が必須となる。本研究では,心房細動患者の脳卒中/全身性塞栓症予防について直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)をwarfarinと比較した臨床試験をレビューし,死因を評価した。また探索的解析として,DOAC投与例における死因をwarfarin投与例と比較した。
方法 MedlineおよびCENTRAL(2016年5月まで),医薬品規制機関ウェブサイト,臨床試験登録サイト,関連学会プロシーディングを検索。言語の制限は設けなかった。
対象:脳卒中リスクを有する心房細動患者において,DOAC(dabigatran,rivaroxaban,apixaban,edoxaban)をwarfarinと比較した,追跡期間≧1年の試験。
対象 4試験(RE-LYROCKET AFARISTOTLEENGAGE AF-TIMI 48),71,683例(134,046患者・年)。
主な結果 ・死亡
追跡期間中,計6,206例(9%)が死亡した。補正後の死亡率は4.63%/年(95%CI 3.99~5.32)。心臓死は全死亡の46%を占め,脳卒中/全身性塞栓症は5.7%,出血関連死は5.6%であった。
試験ごとの全死亡はRE-LY:4.38%/年,ROCKET AF:5.42%/年,ARISTOTLE:3.82%/年,ENGAGE AF-TIMI 48:4.99%/年。

・DOACによる死亡抑制
DOACはwarfarinにくらべ,小さいが有意に死亡率を抑制した(RR 0.90,95%CI 0.86~0.95,p<0.0001,I2=0%,差-0.42%/年,95%CI -0.66~ -0.18))。これはおもに致死的出血抑制によるものであった(RR 0.49,95%CI 0.40~0.61,p<0.00001,I2=0%)。

・死亡例の特性
死亡例は追跡終了時に生存していた症例にくらべ,心不全,永続性/持続性心房細動,糖尿病,男性が多く,高齢で,ビタミンK拮抗薬服用歴が少なく,クレアチニンクリアランスが低かった。
心不全:OR 1.75,95%CI 1.25~2.44。
永続性/持続性心房細動:OR 1.38,95%CI 1.25~1.52。
糖尿病:OR 1.37,95%CI 1.11~1.68。
男性:OR 1.24,95%CI 1.13~1.37。
年齢:平均差3.2歳,95%CI 1.6~4.8。
ビタミンK拮抗薬服用歴:OR 0.88,95%CI 0.78~0.98。
クレアチニンクリアランス:-9.9 ml/分,95%CI -11.3~-8.4)。
文献: Gómez-Outes A, et al. Causes of Death in Anticoagulated Patients With Atrial Fibrillation. J Am Coll Cardiol 2016; 68: 2508-21. pubmed
関連トライアル AMADEUS type of AF, NOACのwarfarinに比較しての死亡率抑制効果, ROCKET AF elderly patients
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