抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
DIAS-4 Efficacy and Safety Study of Desmoteplase to Treat Acute Ischemic Stroke
結論 脳卒中発症後時間が経過してからのdesmoteplase 90 μg/kgの静注は安全で,動脈再開通を増加させたが,3ヵ月後の機能的転帰については有意な改善がみられなかった。
コメント 発症3~9時間の虚血性脳卒中に対するdesmoteplase 90 μg/kgの有効性・安全性に関する報告で,統合解析ではわが国で実施されたDIAS-Jのデータも含まれている。desmoteplaseは安全に,再開通を有意に増加させた。しかし,プラセボの機能的転帰良好は予想以上であり,脳主幹動脈近位部の閉塞・高度狭窄例で虚血巣が比較的限定されている例では1/3は転帰良好(90日後mRS 0~2)であった点は興味深く,今後,発症3時間以降の再開通療法の参照研究となるであろう。(岡田靖

目的 主要血管閉塞患者に対する発症3~9時間以内のdesmoteplase投与について,DIAS-3で臨床ベネフィットは示されなかったため,DIAS-4は早期に中止となった。本論文はDIAS-4の結果とともに,探索的解析としてDIAS-3,DIAS-4,DIAS-Jの結果を統合し,発症後3時間経過後のdesmoteplase投与について,その有効性および安全性を検討した。DIAS-4の安全性主要評価項目:90日後の死亡,全頭蓋内出血(ICH),症候性ICH(National Institute of Health stroke scale[NIHSS]の4点以上の悪化をともなう),ICH以外の大出血,症候性虚血性浮腫(NIHSSの4点以上の悪化をともなう),その他の有害事象。有効性主要評価項目:転帰良好(modified Rankin Score[mRS] mRS 0~2)。
デザイン DIAS-4は無作為割付,二重盲検,第III相試験,NCT00856661。
セッティング DIAS-4は多施設(81施設),17ヵ国。
期間 DIAS-4の試験期間は2009年2月7日~2014年10月7日。
対象患者 767例(DIAS-3:478例+DIAS-4:257例+DIAS-J:32例)。DIAS-4:18~85歳,症状発現が目撃されてから3~9時間以内の脳梗塞患者で,NIHSS 4~24,急性神経学的欠損に一致する中大脳動脈近位部(M1およびM2)/前方/後方脳動脈の閉塞または高度狭窄を有する患者(CTAまたはMRAにて評価)。
【除外基準】DIAS-4:中大脳動脈領域の1/3または前方/後方脳動脈の半分を超える急性虚血性傷害,ICH,病前mRS>1。
【患者背景】DIAS-J:平均年齢はdesmoteplase群69.1歳,プラセボ群68.2歳。各群の女性53%,51%。NIHSS中央値11,10。発症-治療時間中央値7.3時間,7.3時間。病前のmRS 0:82%,85%,1:18%,15%。
pooled:平均年齢はdesmoteplase群67.9歳,プラセボ群68.2歳。各群の女性51%,48%。NIHSS中央値12,11。発症-治療時間中央値7.1時間,7.1時間。病前のmRS 0:86%,86%,1:14%,13%。
治療法 対象の3試験はいずれも以下の2群に無作為割付。
desmoteplase群:382例(DIAS-3:240例+DIAS-4:126例+DIAS-J *:16例)。90μg/kgボーラス単回静注。
プラセボ群:385例(238例+131例+16例)。
*:DIAS-Jではdesmoteplaseは70および90μg/kgの2用量が投与されたが,本解析は90μg/kg群またはプラセボ群の患者のみ対象とした。
追跡完了率
結果

●評価項目
[DIAS-4]
転帰良好はdesmoteplase群52/124例(41.9%)で,プラセボ群46/128例(35.9%)と同程度であった(OR 1.45,95%CI 0.79-2.64,p=0.23)。
死亡(desmoteplase群11.9% vs. プラセボ群13.7%),症候性ICH(4.8% vs. 2.3%),その他の重篤な有害事象(48.4% vs. 42.7%)について,両群で有意差は認められなかった。
[DIAS-3,DIAS-4,DIAS-Jのpooled解析]
転帰良好はdesmoteplase群184/376例(48.9%)で,プラセボ群171/381例(44.9%)と同程度であった(OR 1.33,95%CI 0.95-1.85,p=0.096)。
desmoteplaseは安全で,再開通率を上昇させた;107/217例(49.3%)vs. 85/222例(38.3%),OR 1.59,95%CI 1.08-2.35,p=0.019。
再開通はdesmoteplase群(p<0.0001),プラセボ群(p=0.0004)とも,転帰良好と関連していた。

●有害事象

文献: von Kummer R, et al.; DIAS-4 Investigators. Desmoteplase 3 to 9 Hours After Major Artery Occlusion Stroke: The DIAS-4 Trial (Efficacy and Safety Study of Desmoteplase to Treat Acute Ischemic Stroke). Stroke 2016; 47: 2880-2887. pubmed
関連トライアル AbESTT, AbESTT-II, DIAS-3, DIAS-J, ECASS III, ECASS III additional outcomes, ESCAPE, HERMES, ICARO-2, SITS-ISTR importance of recanalization, Solitaire血栓除去デバイスの安全性および有効性, SYNTHESIS Expansion, 灌流/拡散ミスマッチに基づいた遅延血栓溶解療法
関連記事