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RIETE recommended dosing
結論 本コホートでは,無視できない割合の静脈血栓塞栓症(VTE)患者が推奨通りでない用量かつ/またはレジメンで直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)を投与されていた。このような使用は転帰悪化と関連している可能性がある。

目的 VTE患者に対する再発予防についての臨床試験で,すべてのDOACは低分子量heparin+ビタミンK拮抗薬と同等の有効性を有し,出血リスク(特に頭蓋内出血)は低いことが示された。ただし,実臨床においては近年,VTE患者の多くが推奨用量より低用量のDOACを処方されていると報告されている。本研究は急性VTE患者登録研究であるRIETEのデータを用い,推奨通りに投与された患者と,推奨ではない用量かつ/またはレジメンで投与された患者について,臨床的な特徴と転帰を比較した。主要評価項目:VTEの再発,大出血,DOAC投与中の死亡。
デザイン 前向き登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 多施設,14ヵ国。
期間
対象患者 3,360例。RIETE登録患者(客観的に確認された急性症候性深部静脈血栓症または肺塞栓症患者連続例)のうち,DOACによる初期治療または長期療法がおこなわれた症例。
【除外基準】他の試験に参加中。
【患者背景】平均年齢はrivaroxaban初期治療群58歳,apixaban初期治療群63歳,rivaroxaban長期治療群57歳,apixaban長期治療群64歳,dabigatran群58歳。それぞれの男性55%,46%,55%,42%,36%。VTEの種類:症候性肺塞栓症53%,52%,54%,51%,52%。
治療法 VTEの診断から72時間以内に,(1)rivaroxaban 15mg 1日2回を21±2日間(初期治療;1,591例),その後20mg 1日1回(長期治療;1,611例),(2) apixaban 10mg 1日2回を7±2日間(初期治療;44例),その後5mg 1日2回(長期治療;81例),(3) dabigatran 150mg 1日2回を,非経口抗凝固薬の最初の7±2日間投与を超えて投与された場合(33例)を,推奨治療をうけたと定義した。
追跡完了率
結果

●評価項目
初期治療ではrivaroxaban群18%,apixaban群50%,長期治療ではrivaroxaban群14%,apixaban群36%,dabigatran群46%が推奨通りの治療をうけていなかった。
低用量投与例(375例)のイベント発生率は,推奨用量投与例(1,030例)と同程度であった。
VTE再発:補正後HR 3.36,95%CI 0.78-14.4。
大出血:補正後HR 1.33,95%CI 0.43-4.11。
死亡:補正後HR 1.99,95%CI 0.64-6.13。
非推奨レジメン例(289例)のイベント発生率は,推奨レジメン例(1,118例)と同程度であった。
VTE再発:補正後HR 4.50,95%CI 0.99-20.4。
大出血:補正後HR ,95%CI 0.14-2.94。
死亡:補正後HR 0.42,95%CI 0.08-2.29。
非推奨用量またはレジメンで投与されていた症例(528例)は,推奨量レジメンかつ用量での投与例(983例)にくらべ,VTE再発率が高かった。
VTEの再発:補正後HR 10.5,95%CI 1.28-85.9。
大出血:補正後HR 1.04,95%CI 0.36-3.03。
死亡:補正後HR 1.41,95%CI 0.46-4.29。

●有害事象

文献: Trujillo-Santos J, et al.; RIETE Investigators. Real-life treatment of venous thromboembolism with direct oral anticoagulants: The influence of recommended dosing and regimens. Thromb Haemost 2017; 117: 382-389. pubmed
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