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FREEDOM DAPT vs. aspirin monotherapy
結論 冠動脈バイパス術(CABG)をうけた糖尿病患者において,術後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)施行率は高かった。DAPT群の心血管または出血転帰はaspirin単独群と同程度であった。この結果より,DAPTのルーチン的使用は臨床的に必要ではないかもしれないことが示唆された。

目的 ガイドラインでは,急性冠症候群(ACS)のためCABGをうけた患者に対し,術後のDAPT(aspirin+thienopyridine)を推奨している。しかし,観察研究やサブグループ解析,小規模なRCTにおけるDAPTの有効性は不明である。FREEDOM試験は,糖尿病を合併した多枝疾患患者において,薬剤溶出性ステント(DES)をCABGと比較した。本解析はサブ解析として,CABG施行後の長期臨床および出血の転帰に関し,DAPTをaspirin単独療法と比較した。有効性主要評価項目:5年後の全死亡,非致死的心筋梗塞,脳卒中の複合。安全性主要評価項目:大出血,輸血,出血による入院。
デザイン FREEDOMは無作為割付試験。本解析はper protocol解析。NCT00086450。
セッティング 多施設,複数国。
期間
対象患者 795例。FREEDOM試験(18歳以上の糖尿病患者で,複数の主要な心外膜血管に≧70%以上の狭窄症を有する患者)のうち,CABGに割付けられた症例。
【除外基準】経皮的冠インターベンション施行,手技から30日以内に死亡,30日後の時点でaspirin未投与,30日後の時点でwarfarin投与。
【患者背景】平均年齢はDAPT群61.2歳,aspirin単独群63.7歳*。それぞれの男性72.1%,70.1%。白人71.3%,90.8%*。病歴:高血圧84.2%,84.9%,脂質異常症83.6%,86.5%,2型糖尿病96.3%,93.6%,心筋梗塞27.4%,22.3%。冠動脈造影の適応:安定狭心症73.2%,67.7%,ACS 26.8%,32.3%,3枝病変82.9%,86.1%。*p<0.001
治療法 CABG施行の30日後,544例(68.4%)がDAPT,251例(31.6%)がaspirin単独を投与されていた。thienopyridine投与期間中央値は0.98年。
追跡完了率
結果

●評価項目
5年後の有効性主要評価項目はDAPT群12.5%,aspirin単独群16.0%で,同程度であった(HR 0.83,95%CI 0.54-1.27,p=0.39)。
各項目は以下の通り。
全死亡:5.8% vs. 9.4%,HR 0.62,95%CI 0.34-1.13,p=0.12。
心筋梗塞:5.2% vs. 3.7%,HR 1.42,95%CI 0.63-3.21,p=0.40。
脳卒中:3.2% vs. 4.1%,HR 0.85,95%CI 0.36-1.99,p=0.71。
心血管疾患による入院:19.5% vs. 18.1%,HR 1.10,95%CI 0.75-1.61,p=0.62。
5年後の安全性主要評価項目(大出血)は,DAPT群5.6%,aspirin単独群5.7%で,同程度であった。(HR 1.00,95%CI 0.50-1.99,p=0.99)。
各項目は以下の通り。
輸血:4.8% vs. 4.5%,HR 1.09,95%CI 0.51-2.34,p=0.82。
出血による入院:2.6% vs. 3.3%,HR 0.85,95%CI 0.34-2.17,p=0.74。
CABGの適応(ACS/安定狭心症),SYNTAXスコア,血行再建の程度,DAPT継続期間,CABGの術式(オンポンプ/オフポンプ)でのサブグループ解析を行ったが,転帰は両群で同程度であった。

●有害事象

文献: van Diepen S, et al. Dual Antiplatelet Therapy Versus Aspirin Monotherapy in Diabetics With Multivessel Disease Undergoing CABG: FREEDOM Insights. J Am Coll Cardiol 2017; 69: 119-27. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG triple therapy, APPRAISE-2 post hoc analysis, ARCTIC-Interruption, COGENT aspirin dose, DAPT, DAPT BMS or DES, ITALIC, Jones DW et al, OPTIMIZE, PIONEER AF-PCI hospitalization, PLATO undergoing CABG, PREVENT IV observational analysis, PRODIGY impact of clinical presentation, PRODIGY in-stent restenosis, RESET, SECURITY, TL-PAS, TRACER undergoing CABG, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose, Varenhorst C et al, 複雑PCI施行後のDAPTの有効性および安全性
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