抗血栓トライアルデータベース
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Staerk L et al
結論 経口抗凝固薬未経験の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)はビタミンK拮抗薬(VKA)にくらべ,脳卒中/血栓塞栓症リスク低下とは関連していなかったが,dabigatran,apixabanは頭蓋内出血リスク低下と関連していた。

目的 NOACはNVAF患者における脳卒中発症抑制に広く用いられているが,比較データは少ない。そこで,デンマークの全国規模のレジストリーを用い,脳卒中/血栓塞栓症および出血のリスクについて, dabigatran,rivaroxaban,apixabanをVKAと比較した。評価項目:脳卒中/血栓塞栓症,頭蓋内出血。
デザイン 観察研究。
セッティング 多施設,デンマーク。
期間 試験期間は2011年8月22日~2015年12月31日。
対象患者 43,299例。試験期間前に抗凝固薬服用経験がなく,VKA,dabigatran,rivaroxaban,apixabanを開始した心房細動患者を処方開始日に登録。
【除外基準】<30歳または>100歳,弁膜症性心房細動,処方開始日前の5週間以内に股/膝関節全形成術を施行,処方開始日前の6ヵ月以内の肺塞栓症/深部静脈血栓症,処方開始日に2種類の抗凝固薬を処方。
【患者背景】年齢中央値はVKA群73歳,dabigatran群71歳,rivaroxaban群74歳,apixaban群76歳。それぞれの男性56.7%,55.0%,49.9%,49.8%。平均CHADS2スコア1.54,1.40,1.57,1.66。平均CHA2DS2-VAScスコア2.89,2.70,2.99,3.11。平均HAS-BLED出血リスクスコア2.16,2.00,2.14,2.20。高用量-,59.5%,70.8%,63.1%。低用量-,40.5%,29.2%,36.9%。脳卒中/全身性塞栓症既往14.6%,15.5%,18.0%,20.7%。出血既往11.8%,10.6%,10.8%,13.2%。
(ここにあげた項目はすべてp<0.001)
治療法 薬剤別にVKA 18,094例(41.8%),dabigatran 12,613例(29.1%),rivaroxaban 5,693例(13.2%),apixaban 6,899例(15.9%)に分け,解析を行った。
追跡完了率
結果

●評価項目
追跡を最初の2年間に限ると,脳卒中/血栓塞栓症は1,054件(そのうち脳梗塞536件),頭蓋内出血は261件発症した。
VKA開始から1年後における脳卒中/血栓塞栓症の標準化絶対リスクは2.01%(95%CI 1.80~2.21%),VKA群に対する絶対リスク差はdabigatran群0.11%(-0.16~0.42%),rivaroxaban群0.05%(-0.33~0.48%),apixaban群0.45%(-0.001~0.93%)。
1年後の脳梗塞の標準化絶対リスクは,VKA群1.07%(0.92~1.24%)であった。VKA群に対する絶対リスク差はdabigatran群-0.03%(-0.23~ 0.19%),rivaroxaban群0.01%(-0.28~0.33%),apixaban群0.15%(-0.17~ 0.49%)。
1年後の頭蓋内出血の標準化絶対リスクは,VKA群0.60%(0.49~0.72%)であった。VKA群に対する絶対リスク差はdabigatran群-0.34%(-0.47~- 0.21%),rivaroxaban群-0.13%(-0.33~0.08%),apixaban群-0.20%(-0.38~- 0.01%)。

●有害事象

文献: Staerk L, et al. Ischaemic and haemorrhagic stroke associated with non-vitamin K antagonist oral anticoagulants and warfarin use in patients with atrial fibrillation: a nationwide cohort study. Eur Heart J 2016; 38: 907-15. pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, Larsen TB et al, Larsen TB et al, PIONEER AF-PCI hospitalization, RE-LY exposure of VKA, 高齢者におけるDOACの有効性および有害性, 心房細動およびVTE患者におけるNOACの大出血関連致死率
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