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JACRE Japanese Anti-Coagulation Regimen Exploration in AF Catheter Ablation Registry
結論 Rivaroxabanを投与された日本人の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,カテーテルアブレーション(CA)施行周術期の血栓塞栓症および重大な出血発症率は,warfarin投与例と同様に低かった。

目的 CAは心房細動の一般的な治療法である。Rivaroxabanはwarfarinの代替薬としてその使用が増えてきているが,日本人患者におけるCA施行周術期の有効性および安全性については,まだ確立されていない。本研究では,rivaroxabanならびにwarfarin投与患者をそれぞれJACRE-Rコホート,JACRE-Wコホートとして独立したプロトコールにて登録し,CA周術期における両剤の有効性および安全性を比較した。主要評価項目:CA施行30日以内の血栓塞栓症および重大な出血の複合。
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設(JACRE-R:42施設,JACRE-W:22施設),日本。
期間 登録期間はJACRE-R:2014年7月~2015年9月,JACRE-W:2014年10月~2015年10月。
対象患者 JACRE-R:1,118例,JACRE-W:204例。≧20歳,CA施行前に3週間以上試験薬(rivaroxabanまたはwarfarin)を投与されたNVAF患者連続例。
【除外基準】血栓塞栓症または心筋梗塞発症から2ヵ月以内,試験薬に対し禁忌。
【患者背景】平均年齢はJACRE-R 63.0歳,JACRE-W 67.7歳(p<0.001)。それぞれの性別(男/女)836/282例,142/62例。体重66.9kg,64.5kg(p=0.012)。心房細動と診断されてからの経過期間32.2ヵ月,57.9ヵ月(p<0.001)。心房細動の病型(p=0.008):発作性62.5%,56.4%,持続性26.6%,25.0%,長期間持続性10.9%,18.6%。CA施行歴20.2%,27.5%(p=0.026)。平均CHADS2スコア0.9,1.3(p<0.001)。平均CHA2DS2-VAScスコア1.8,2.4(p<0.001)。平均HAS-BLED出血リスクスコア0.9,1.3(p<0.001)。Rivaroxaban群における投与量;15mg:87.1%,10mg:12.9%。Warfarin群における平均投与量3.0mg。
治療法 JACRE-R:rivaroxaban 15mg 1日1回,クレアチニンクリアランス30~49mL/分の症例は10mg 1日1回投与。CAの手技および周術期の抗凝固療法(rivaroxaban一時中断やヘパリンの使用)は担当医の裁量とした。手技中のACTは>300秒を維持するものとした。
JACRE-W:warfarin をINR 2.0~3.0(70歳以上では1.6~2.6)となるよう用量調整投与。
追跡完了率 追跡完了率はJACRE-R:99.6%,JACRE-W:97.5%。
結果

●評価項目
[JACRE-R]
主要評価項目発症は7例(0.6%)に発症した。内訳は血栓塞栓症2例(いずれもTIA),重大な出血5例(心外膜液貯留[心タンポナーデ]4例,穿刺部血腫1例)。重大でない出血は27例(2.4%)に発症し,発症率はヘパリンブリッジング非施行例5/572例(0.87%)のほうが施行例22/546例(4.03%)にくらべ低かった(p=0.001)。また,15mg投与例のイベント発症率は10mg投与例と同程度であった。
[JACRE-W]
主要評価項目発症は3例(1.5%)で,すべて重大な出血であった(心外膜液貯留,穿刺部血腫,頭蓋内出血各1例)。warfarin継続例,中断例を比較したところ,主要評価項目は同程度であった(継続例1.2%,中断例3.1%,p=0.372)。

患者特性を補正後,主要評価項目について,JACRE-RとJACRE-Wの間に有意差は認めなかった(rivaroxaban対warfarin:HR 0.48,95%CI 0.12-2.33,p=0.329,rivaroxaban対warfarin継続:HR 0.58,95%CI 0.13-3.78,p=0.525)。

●有害事象

文献: Okumura K, et al., JACRE Investigators. Efficacy and Safety of Rivaroxaban and Warfarin in the Perioperative Period of Catheter Ablation for Atrial Fibrillation - Outcome Analysis From a Prospective Multicenter Registry Study in Japan. Circ J 2016; 80: 2295-301. pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, BRIDGE, COMPARE, J-EINSTEIN DVT and PE, J-ROCKET AF, J-ROCKET AF in relation to age, J-ROCKET AF renal impairment, Kaseno K et al, Kim TH et al, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, ROCKET AF, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, ROCKET AF temporary interruption, VENTURE-AF, アブレーション周術期におけるrivaroxabanの有効性および安全性, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性
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