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REVASK Register on Revascularization in Ischemic Stroke Patients
結論 大規模な前向き登録研究の結果より,ルーチンの臨床診療においてもrt-PA静注+血栓除去術併用はrt-PA静注単独にくらべ,脳梗塞患者の機能的転帰を改善し,死亡を抑制することが示された。早期の治療開始は転帰改善と関連していた。
コメント 一般臨床現場における登録研究においても,脳梗塞急性期のrt-PA血栓溶解療法と血管内治療の組み合わせがrt-PA血栓溶解単独治療より転帰を改善し死亡率を低下させることが示された。血管内治療を行える施設が限られていることを考慮すると,rt-PA血栓溶解療法が行える多くの施設と血管内治療が行える限られた施設間でのdrip and shipを含む連携強化が求められる。(矢坂正弘

目的 脳梗塞患者を対象としたRCTでは,新世代の血栓除去デバイスを用いた血管内治療は,rt-PA静注を含む薬物治療にくらべ,機能的転帰が良好であることが示された。しかし,死亡に対する効果ならびに結果の臨床診療への一般化可能性については不明である。以上のことから,血栓除去術かつ/またはrt-PA静注をうけた脳梗塞患者の臨床転帰を比較し,また発症-治療時間と臨床転帰の関係を検討した。主要転帰:3ヵ月後の後遺障害(modified Rankin Score:mRS)。
デザイン 前向き観察研究(ドイツ北西部の脳卒中患者登録QSNWDにもとづく)。
セッティング 多施設(37施設)。ドイツ。
期間 試験期間は2012年4月~2013年8月。
対象患者 2,650例。血栓除去術かつ/またはrt-PA静注をうけた脳梗塞患者。
【除外基準】血栓溶解療法動注のみを施行。
【患者背景】平均年齢はrt-PA静注単独群71.5歳,血栓除去術単独群68.7歳,rt-PA静注+血栓除去術併用群(併用群)68.3歳*。それぞれの女性49.1%,52.0%,49.6%。高血圧82.0%,75.8%,76.5%**。脳卒中既往21.5%,20.6%,12.8%*。脳卒中の病型:アテローム血栓性28.3%,24.0%,26.5%,心原性32.1%,49.6%,42.3%*,ラクナ梗塞13.6%,0%,0%*。平均NIHSSスコア9.0,14.3,15.1*。もっとも近位の閉塞部位:内頸動脈5.8%,34.5%,32.8%*,M1 8.9%,37.3%,44.4%*,M2 12.8%,13.3%,10.3%,後方循環5.6%,13.5%,10.8%*。発症-動脈穿刺の平均時間―,4時間54分,3時間53分*。発症-血栓溶解療法までの平均時間2時間24分,―,2時間24分。*p<0.001,**p=0.001
治療法 治療の選択は担当医の裁量とし,rt-PA静注単独は1,543例,血栓除去術単独は504例,rt-PA静注+血栓除去術併用は603例に行われた。血栓除去術の79.1%は血栓回収ステントであった。
プロペンシティスコアマッチング法は,rt-PA静注単独群および併用群のうち,発症-治療時間が4.5時間以内および近位部頭蓋内閉塞患者各241例を対象とした。
追跡完了率
結果

●評価項目
院内/退院時の死亡率はrt-PA静注群6.9%,血栓除去術単独群15.9%,併用群10.9%,転帰良好(mRSスコア0~1)はそれぞれ43.5%,22.6%,26.4%で,血栓除去術単独群で不良であった(いずれもp<0.001)。3ヵ月後の死亡率(14.0%,27.8%,17.8%),転帰良好(45.0%,23.5%,32.4%)も,血栓除去術単独群で不良であった(いずれもp<0.001)。
併用群において,発症-治療時間の遅れはmRSスコアの分布の転帰不良へのシフトと有意に関連していた。発症-治療時間1.5時間以内にくらべた調整共通ORは,1.5~3.0時間0.71,95%CI 0.48-1.03,3.0~4.5時間0.39,0.23-0.68,4.5~6.0時間0.25,0.10-0.63,>6.0時間0.29,0.15-0.56であった。rt-PA静注群,血栓除去術単独群では,発症-治療時間と転帰の有意な関連は認めなかった。
プロペンシティスコアをマッチングさせた近位部頭蓋内閉塞患者の解析では,併用群はrt-PA静注群にくらべ,3ヵ月後のmRSスコアの分布が良好で(共通OR 1.84,95%CI 1.32-2.57,p=0.0004),死亡率が低下した(15% vs. 33%;OR 0.34,95%CI 0.22-0.53,p<0.0001)。さまざまな感度分析や異なる解析法でも,結果は同様であった。

●有害事象

文献: Minnerup J, et al.; REVASK Investigators. Outcome After Thrombectomy and Intravenous Thrombolysis in Patients With Acute Ischemic Stroke: A Prospective Observational Study. Stroke 2016; 47: 1584-92. pubmed
関連トライアル HERMES, ICARO-2, SITS-ISTR importance of recanalization, SITS-ISTR blood pressure, SITS-ISTR sex differences, SITS-ISTR/VISTA, Strbian D et al Ultra-Early Thrombolysis, SWIFT PRIME, TIMS-China smoking-thrombolysis relationship, 急性脳梗塞に対する血管内治療と薬物療法の比較, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法, 内頸動脈閉塞に続発する脳梗塞に対するtPA静注および動脈内血管内療法
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