抗血栓トライアルデータベース
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SWIVTER Swiss Venous Thromboembolism Registry
結論 静脈血栓塞栓症(VTE)治療において,従来の抗凝固薬は依然として多く用いられており,特に高齢者や併存疾患のある患者で多かった。プロペンシティスコア解析集団において,rivaroxaban群の早期臨床転帰は従来の抗凝固薬群と同程度であった。

目的 VTEの治療として,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)がwarfarinの代替薬として用いられるようになり,データの蓄積が求められている。本研究では,ルーチンの実臨床において,rivaroxabanまたは従来の抗凝固薬を投与されたVTE患者について,3ヵ月後の転帰を検討した。評価項目:VTE再発,ISTH出血基準大出血
デザイン 前向き登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 多施設(11救急施設),スイス。
期間 登録期間は2012年11月~2015年2月。追跡期間は90日。
対象患者 2,062例。18歳以上,客観的に深部静脈血栓症(DVT;圧迫超音波検査/静脈造影)または肺塞栓症(PE;コントラスト強調胸部CT/肺換気血流スキャン/従来の肺血管造影)が確認され,3ヵ月間の追跡データが入手できた症例。
【除外基準】なし。
【患者背景】平均年齢はrivaroxaban群56歳,従来の抗凝固薬群65歳**。それぞれの女性43.9%,47.4%。PE合併38%,66%**。高血圧26.4%,38.0%**。癌9.6%,23.9%**。VTE既往22.1%,23.3%。うっ血性心不全10.3%,15.8%*。糖尿病8.2%,13.7%**。慢性肺疾患7.4%,12.1%*。腎不全7.0%,11.6%*。最近の手術6.7%,12.6%**。ICU入院3.4%,6.0%(p=0.012)。急性冠症候群1.2%,3.2%(p=0.009)。再灌流療法施行28%,9%**。無期限の抗凝固療法の予定26%,39%**
*p=0.001,**p<0.001
治療法 治療法により以下の2群に分け,解析を行った。
rivaroxaban群:417例(rivaroxaban単剤療法53%,非経口抗凝固薬投与後rivaroxaban長期投与45%,rivaroxaban投与後ビタミンK拮抗薬投与2%)。
従来の抗凝固薬群:1,645例。初期治療として低分子量heparin(LMWH,70%),未分画heparin(27%),fondaparinux(7%),その後長期治療としてビタミンK拮抗薬(76%)またはLMWH(24%)投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
全例において,rivaroxabanは従来の抗凝固薬にくらべ,VTE再発リスク抑制と関連していた(1.2%,3.3%,HR 0.36,95%CI 0.14-0.90,p=0.029)。プロペンシティスコア解析集団(両群各417例)では,VTE再発は同程度であった(1.2% vs 2.1%,HR 0.55,95%CI 0.18-1.65,p=0.29)。
全例において,rivaroxabanは従来の抗凝固薬にくらべ,大出血リスク抑制と関連していた(0.5%,2.4%,HR 0.20,95%CI 0.05-0.83,p=0.026)。プロペンシティスコア解析集団では同程度であった(0.5%,0.5%,HR 1.00,95%CI 0.14-7.07,p=1.00)。

●有害事象

文献: Kucher N, et al. Rivaroxaban for the treatment of venous thromboembolism. The SWIss Venous ThromboEmbolism Registry (SWIVTER). Thromb Haemost 2016; 116: 472-9. pubmed
関連トライアル EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, INSPIRE, ROCKET AF post hoc analysis, XALIA, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較
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