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AFFIRM warfarin discontinuation
結論 高リスクの非弁膜症性心房細動(NVAF)患者では,外科的手技のためのwarfarin中断により,虚血性脳卒中リスクは約6倍に上昇した。すべての手技について,リスク便益分析で検討する必要がある。
コメント 従来,ワルファリン中断による周術期脳卒中発症リスクは1%前後との報告が多い。本研究では,相対リスクが5.6倍になること,大出血の相対リスクや全虚血性脳卒中に占めるワルファリン中断の集団寄与リスクについても分析している点で意義深い。(岡田靖

目的 外科的手技のためのwarfarin中断期間における虚血性脳卒中リスクは認識されているが,その特性は明らかでない。ここでは,高リスクのNVAF患者において,warfarin中断に関連する虚血性脳卒中リスクを定量化した。主要評価項目:虚血性脳卒中発症。
デザイン 本論文はAFFIRMの後ろ向きサブ解析。
セッティング 多施設(213施設),北米。
期間 平均追跡期間3.5年。
対象患者 4,060例。≧65歳または脳卒中/死亡の臨床的リスク因子(高血圧,糖尿病,うっ血性心不全,TIA,脳卒中既往,左房>50mm,左室短縮率<25%,LVEF<40%)を有する再発性のNVAF患者で,長期の治療を要する症例。
【除外基準】抗凝固療法禁忌。
【患者背景】平均年齢は69.5歳。男性60.7%。
治療法 AFFIRMは洞調律維持群,心拍数コントロール群に無作為割付(両群にwarfarinを推奨)。warfarinを中断した際は,aspirinが投与された。
追跡完了率
結果

●評価項目
外科的手技施行のためのwarfarin中断を行ったのは197例,warfarinを中断せずに継続したのは3,863例であった。warfarinを中断した患者のうち182例(92.4%)が手技後warfarinを再開した。ベースラインの患者特性の比較では,warfarin中断例では継続例にくらべ,冠動脈疾患を有する割合が低く,うっ血性心不全ならびに糖尿病を有する割合が高かった。
観察期間71,355人・年のうち,外科的手技施行のためのwarfarin中断は265人・年(0.4%),継続は71,090人・年であった。warfarin中断例は継続例にくらべ,虚血性脳卒中発症率が高かった(1.1% vs. 0.2%,p=0.001)。潜在的交絡因子を調整後も,warfarin 中断は虚血性脳卒中リスク上昇と相関し(RR 5.6,95%CI 1.8-17.7),この相関は男女ともに認められた。
頭蓋内出血を含む大出血についても,warfarin中断例は継続例にくらべ発症率が高かった(18.5% vs. 8.0%)。潜在的交絡因子を調整後のRRは2.7,95%CI 1.9-3.7。
集団寄与リスク(PAR)にもとづくと,本試験集団における全虚血性脳卒中のうち23.1%は,外科的手技施行のためのwarfarin中断に起因すると推定された。

●有害事象

文献: Qureshi AI, et al. Risk of Ischemic Stroke in High Risk Atrial Fibrillation Patients during Periods of Warfarin Discontinuation for Surgical Procedures. Cerebrovasc Dis 2016; 42: 346-51. pubmed
関連トライアル ACS後の心房細動患者におけるwarfarin使用と転帰, AFFIRM subgroup analysis, ARISTOTLE major bleeding, COMPARE, Pearce LA et al, PROSPER, PROTECT AF, ROCKET AF intracranial hemorrhage, ROCKET AF post hoc analysis, SPAF I-III 1999, SPAF III 1996, SPAF III 1998, Tung JM et al, 脳卒中/TIA既往を有する心房細動患者における新規抗凝固薬
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