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ENSURE-AF Edoxaban vs. Warfarin in Subjects Undergoing Cardioversion of Atrial Fibrillation
結論 電気的除細動をうける非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,大出血および大出血ではないが臨床的に意味のある出血の発現率は,edoxaban群,従来治療群とも低かった。
コメント 心房細動除細動におけるNOACの有効性・安全性をワルファリンと比較した研究では,最大規模の試験となる。経食道エコー下では,エドキサバン群では除細動の2時間以上前に服用,その後1日1回と簡便であった。一方,ワルファリン群は,INR<2.0であれば2.0以上になるまでエノキサパリンを併用する必要がある。有効性・安全性については両群間に差がなく,エドキサバンによる除細動施行の妥当性が示されたものといえる。(是恒之宏

目的 心房細動患者における脳卒中/全身性塞栓症発症抑制について,edoxabanは良好に管理されたwarfarinにくらべ非劣性を示し,出血は抑制した。ただし,電気的除細動施行患者に対するデータはまだ少ない。本試験では,電気的除細動をうける心房細動患者において,edoxabanの有効性および安全性を従来治療と比較した。有効性主要評価項目:脳卒中,全身性塞栓イベント,心筋梗塞,心血管死の複合。安全性主要評価項目:大出血および大出血ではないが臨床的に意味のある出血の複合。
デザイン PROBE,phase IIIb試験。intention-to-treat解析。NCT02072434。
セッティング 多施設(239施設),19ヵ国(欧米)。
期間 登録期間は2014年3月25日~2015年10月28日。
対象患者 2,199例。48時間以上12ヵ月未満のNVAFが確認され,電気的除細動および抗凝固療法を予定されている症例。
【除外基準】-
【患者背景】平均年齢はedoxaban群64.3歳,従来治療群64.2歳。各群の男性66%,65%。白人97%,98%。edoxaban 30mg投与9%,8%。抗凝固薬の経験あり72%,73%。平均CHA2DS2-VAScスコア2.6,2.6。発作性心房細動(≦7日)19%,19%。
治療法 経食道心エコー(TEE)施行の有無(術者の判断),抗凝固療法の治療歴,edoxabanの投与量,地域により層別化後,edoxaban群(1,095例),従来治療群(1,104例)に無作為割付。edoxabanの通常量は60mg 1日1回で,クレアチニンクリアランス15~50mL/分,体重≦60kg,P糖蛋白阻害薬併用(amiodaroneは除外)では低用量(30mg 1日1回)投与とした。
[TEEガイド下除細動実施例]電気的除細動施行は無作為割付後3日以内,TEEおよび電気的除細動は同日に施行できるものとした。TEEにて血栓が見つかった患者には,電気的除細動を行わず試験薬を28日間投与するか,試験を中止する選択肢が与えられた。
edoxaban群(589例):電気的除細動施行の2時間以上前からedoxaban投与を開始。次の投与は手技の翌日とし,その後は28日間,24時間間隔で継続。
従来治療群(594例):INR<2.0の症例では,電気的除細動施行前にenoxaparinおよびwarfarinを単回投与し,INR≧2.0となるまで継続。治療域が達成されたらenoxaparinを中止し,治療終了(手技の28日後)までwarfarinを継続。INR≧2.0の症例ではenoxaparinを投与せず,warfarinのみ投与(INR 2.0~3.0となるよう用量調整)。
[非TEEガイド下除細動実施例]無作為割付から21日以上後に電気的除細動を施行。
edoxaban群(506例):無作為割付日にedoxaban投与を開始し,電気的除細動施行日前に21日間以上継続,施行後さらに28日間投与。
従来治療群(510例):INR<2.0の症例では,無作為割付日にenoxaparinおよびwarfarinを単回投与し,INR≧2.0となるまで継続。治療域が達成されたらenoxaparinを中止し,warfarinを21日間以上継続。INR≧2.0の症例ではenoxaparinを投与せず,warfarinのみ21日間以上投与。
追跡完了率 追跡不能は1/2,199例。
結果

●評価項目
従来治療群における,INRが治療域に達した後の平均TTRは70.8%。
有効性主要評価項目はedoxaban群5例(<1%),従来治療群11例(1%)で,同程度であった(OR 0.46,95%CI 0.12-1.43)。
脳卒中:2例(<1%),3例(<1%),OR 0.67,0.06-5.88。
全身性塞栓イベント:1例(<1%),1例(<1%)。
心筋梗塞:2例(<1%),3例(<1%),OR 0.67,0.06-5.88。
心血管死:1例(0.1%),5例(0.5%),OR 0.20,0-1.80。
安全性主要評価項目はedoxaban群16例(1%),従来治療群11例(1%)についても,有意差は認められなかった(OR 1.48,95%CI 0.64-3.55)。
大出血:3例(<1%),5例(<1%),OR 0.61,0.09-3.13。
大出血ではないが臨床的に意味のある出血:14例(<1%),7例(<1%),OR 2.04,0.77-6.00。
頭蓋内出血は両群とも0例。
結果はTEEのストラテジー,抗凝固療法の経験と独立していた。

●有害事象

文献: Goette A, et al. Edoxaban versus enoxaparin-warfarin in patients undergoing cardioversion of atrial fibrillation (ENSURE-AF): a randomised, open-label, phase 3b trial. Lancet 2016; 388: 1995-2003. pubmed
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