抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
GRAPE Registry
結論 リアルワールドにおける,PCIをうけた急性冠症候群(ACS)患者について,prasugrelはclopidogrelにくらべ,抗虚血保護作用が良好であった。prasugrel,ticagrelorとも出血イベントが増加した。

目的 抗血小板療法の相対的有効性および安全性は,ランダム化試験以外では不明である。そこで,リアルワールドでのACS患者において,PCIにclopidogrel,prasugrel,ticagrelorを併用した場合の長期的有効性と安全性を検討した。主要評価項目:PCI施行1年後の主要有害心血管事象(MACE)。副次評価項目:PCI施行1年後の全出血(BARC出血基準)。
デザイン 前向き,観察的コホート研究。NCT01774955。
セッティング 多施設(8施設),ギリシャ。
期間 登録期間は2012年1月~2013年8月。
対象患者 2,039例。PCIをうけた,中等度~高リスクのACS患者。
【除外基準】試験合意,余命,滞在資格などの点で追跡できない可能性が高い症例。
【患者背景】平均年齢はclopidogrel群65.3歳,prasugrel群56.9歳,ticagrelor群60.1歳。それぞれの男性78.3%,88.2%,84.9%。脂質異常症45.0%,50.4%,45.9%。高血圧59.1%,48.8%,52.7%。喫煙48.2%,64.7%,61.2%。糖尿病24.8%,20.9%,21.2%。心筋梗塞既往14.4%,10.2%,10.9%。脳卒中既往5.1%,0.6%,3.1%。退院時のaspirin 97.0%,99.4%,98.0%,経口抗凝固薬6.3%,2.5%,2.5%。
治療法 P2Y12受容体拮抗薬の使用は,ESCガイドラインにしたがい,担当医の裁量によった。退院時の抗血小板薬の症例数,用量は以下の通り:clopidogrel 75mg 1日1回(959例),prasugrel 10mg 1日1回(363例),ticagrelor 90mg 1日2回(717例),aspirin 100mg 1日1回。
追跡完了率 1年後の追跡完了率は,clopidogrel群95.4%,prasugrel群92.8%,ticagrelor群95.7%。
結果

●評価項目
補正後のMACE発症率はprasugrel群4.4%で,clopidogrel群10.1%にくらべて低かったが(HR 0.53,95%CI 0.30-0.91,p=0.02),ticagrelor群6.8%とclopidogrel群では有意差を認めなかった(HR 0.78,0.54-1.12,p=0.2)。prasugrel群とticagrelor群の補正後の比較でも有意差を認めなかった(IPTW補正後,HR 1.55,0.87-2.74)。
BARC基準全出血は,prasugrel群51.2%で,clopidogrel群37.6%にくらべて多く(HR 1.61,1.33-1.95,p<0.001),ticagrelor群(56.9%)もclopidogrel群にくらべて多かった(HR 1.81,1.55-2.10,p<0.001)。prasugrel群とticagrelor群の補正後の比較では,有意差を認めなかった(IPTW補正後,HR 1.13,0.94-1.34)。
補正後の死亡率は,新規薬剤で2.9%減少,clopidogrelで6.2%減少した(p=0.04)。

●有害事象

文献: Alexopoulos D, et al. Contemporary antiplatelet treatment in acute coronary syndrome patients undergoing percutaneous coronary intervention: 1-year outcomes from the GReek AntiPlatElet (GRAPE) Registry. J Thromb Haemost 2016; 14: 1146-54. pubmed
関連トライアル PEGASUS-TIMI 54 renal function, TRILOGY ACS prior clopidogrel
関連記事