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Egholm G et al Dual anti-platelet therapy after coronary drug-eluting stent implantation and surgery-associated major adverse events
結論 薬剤溶出性ステント(DES)留置後の患者における手術施行について,術前の抗血小板薬非投与およびDES留置後1ヵ月以内の手術は,主要有害心イベント(MACE)リスク上昇と関連していた。

目的 DES留置後は12ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)が推奨されている。この期間中に4~15%の患者で手術が必要となるが,その際にはDAPTの中止を要する可能性がある。本研究は,地域住民をベースにしたコホート研究として,DES留置後1年以内の手術施行率,手術後30日以内の手術関連MACEおよび出血による再手術施行率を検討した。また,ネスティド・ケース・コントロール研究を行い,抗血小板薬の種類が30日後のMACEならびに出血による再手術リスクと関連しているか,検討を行った。
デザイン 地域住民をベースにしたコホート研究および後ろ向きネスティド・ケース・コントロール研究。
セッティング 多施設(21施設[大学病院3施設+地域病院18施設]),デンマーク。
期間 登録対象とした手術施行期間は2005年7月~2011年12月。
対象患者 22,654例。当該期間にDES留置をうけた患者連続例。複数回のDES留置をうけた場合,最後のものを当該手技とした。
【除外基準】バルーン血管形成術のみ,ベアメタルステントのみ留置の患者。
【患者背景】MACE解析対象患者:年齢中央値は症例群73歳,対照群71歳。それぞれの男性73.7%,73.9%。喫煙24.6%,22.2%。第一世代ステントを留置59%,64%。PCIから手術までの期間中央値38日,112日。緊急手術の割合49.2%,31.4%。
出血による再手術解析対象患者:年齢中央値は症例群67歳,対照群66歳。それぞれの男性70.4%,74.4%。喫煙25.9%,22.2%。第一世代ステントを留置66%,68%。PCIから手術までの期間中央値94日,106日。緊急手術の割合31.5%,26.1%。
治療法 手術前の抗血小板療法は以下の通り。
MACE解析対象患者:DAPTは症例群57%,対照群60%,P2Y12阻害薬単独5%,5%,aspirin単独12%,16%,治療なし26%,19%。
出血による再手術:DAPTは症例群54%,対照群59%,P2Y12阻害薬単独4%,3%,aspirin単独15%,13%,治療なし28%,25%。
追跡完了率
結果

●評価項目
1,944例(8.6%)が当該DES留置後12ヵ月以内に中等度~高リスクの手術をうけた。これらのうち,手術後30日以内のMACEは62例(3.2%),出血による再手術は54例(2.8%)。
[MACE]
ネスティド・ケース・コントロール解析(症例61例+対照207例)によると,手術前の抗血小板薬非投与は抗血小板薬単剤(SAPT)またはDAPTにくらべ,MACEリスク上昇と関連していた(OR 2.36,95%CI 1.02-5.48)。SAPTとDAPTの比較については有意差を認めなかった(OR 0.85,95%CI 0.30-2.40)。
また,DES留置後1ヵ月以内の手術は,2~12ヵ月後の手術にくらべ,MACEリスクが上昇した(OR 4.67,95%CI 2.22-9.83)。
[出血による再手術]
ネスティド・ケース・コントロール解析(症例54例+対照176例)によると,術前の抗血小板薬非投与はSAPT,DAPTにくらべ,出血のための再手術を抑制しなかった(OR 1.32,95%CI 0.56-3.12)。

●有害事象

文献: Egholm G, et al. Dual anti-platelet therapy after coronary drug-eluting stent implantation and surgery-associated major adverse events. Thromb Haemost 2016; 116: 172-80. pubmed
関連トライアル ACDC, ARCTIC-Interruption, DECLARE-DIABETES, DECLARE-LONG II, DES留置とDAPT実施期間, DES留置後のDAPT期間:短期と長期の比較, DES留置後長期DAPTによる死亡率, ITALIC, PARIS, PRODIGY impact of clinical presentation, PROTECT, RESET, RESOLUTE post hoc analysis, SECURITY
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