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TIMS-China smoking-thrombolysis relationship
結論 血栓溶解療法静注をうけた虚血性脳卒中患者において,喫煙は,非心原性脳卒中の場合は機能的自立が多くなる可能性,大血管アテローム動脈硬化性では症候性頭蓋内出血および死亡のリスクが低くなる可能性と関連していることが示唆された。

目的 血栓溶解療法静注をうけた患者において,喫煙と転帰の関係は過小評価されている。そしてその転帰は,脳卒中のサブタイプにより影響されうる。本研究では,血栓溶解療法静注をうけたさまざまな脳卒中サブタイプの患者において,喫煙*が転帰に影響するか検討した。評価項目:血栓溶解療法施行から7日以内の症候性頭蓋内出血(NINDS定義),90日後の死亡および機能的自立。
*:脳卒中発症前に6ヵ月超,煙草を1日1本以上吸ったものと定義。
デザイン 前向き登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 多施設(67施設),中国。
期間 当該治療期間は2007年5月~2012年4月。
対象患者 1,118例。発作から4.5時間以内に血栓溶解療法静注をうけた患者全例。
【除外基準】データ欠損など。
【患者背景】[大血管アテローム動脈硬化性(606例)]症例数は喫煙者275例,非喫煙者331例。それぞれの平均年齢60歳,66歳*。男性94.2%,42.0%*。ベースライン時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)中央値11,12。発症-治療時間中央値170分,170分。
[小血管病変(117例)]症例数は喫煙者53例,非喫煙者64例。それぞれの平均年齢57歳,64歳*。男性96.2%,34.4%*。ベースライン時のNIHSS中央値7,8。発症-治療時間中央値164分,165分。
[心原性脳塞栓症(221例)]症例数は喫煙者50例,非喫煙者171例。それぞれの平均年齢63歳,68歳*。男性94.0%,31.6%*。ベースライン時のNIHSS中央値15,15。発症-治療時間中央値168分,170分。
[その他(174例)]症例数は喫煙者76例,非喫煙者98例。それぞれの平均年齢57歳,62歳*。男性92.1%,38.8%*。ベースライン時のNIHSS中央値9,10。発症-治療時間中央値174分,170分。*p<0.005
治療法 血栓溶解療法静注。
追跡完了率 90日後の追跡からの脱落は21例(1.9%)。
結果

●評価項目
喫煙者は454例(40.6%),非喫煙者は664例(59.4%)であった。
虚血性脳卒中の病型で層別化後,非心原性脳卒中の患者では喫煙と機能的自立との有意な関連が示されたが,心原性脳塞栓患者では関連を認めなかった。
大血管アテローム動脈硬化性:喫煙者61.9%,非喫煙者50.9%,OR 1.452,95%CI 1.053-2.264,p=0.027。
小血管病変 :88.2%,70.3%,OR 4.275,1.098-16.649,p=0.036。
その他:84.0%,64.2%,OR 3.120,1.162-8.373,p=0.024。
心原性脳塞栓:42.0%,44.1%,OR 0.721,0.306-1.071,p=0.455。
大血管アテローム動脈硬化性患者において,喫煙は以下のリスク低下と関連していた。
症候性頭蓋内出血:喫煙者2.6%,非喫煙者8.8%,OR 0.316,0.120-0.832,p=0.020。
死亡:6.0%,13.9%,OR 0.272,0.128-0.577,p=0.001。
心原性脳塞栓では関連を認めなかった。
症候性頭蓋内出血:喫煙者12.0%,非喫煙者12.9%,OR 0.613,0.178-2.114,p=0.438。
死亡:20.0%,18.2%,OR 0.809,0.287-2.274,p=0.687。

●有害事象

文献: Tong X, et al.; Thrombolysis Implementation and Monitor of Acute Ischemic Stroke in China (TIMS-China) Investigators*. Smoking-Thrombolysis Relationship Depends on Ischemic Stroke Subtype. Stroke 2016; 47: 1811-6. pubmed
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