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CHANCE intracranial arterial stenoses
結論 軽症脳卒中または高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)患者において,内頸動脈または頭蓋内脳動脈狭窄(ICAS)を認める症例では認めない症例にくらべ,脳卒中再発率が高かった。しかしながら,clopidogrel+aspirin併用またはaspirin単独に対する反応に差異はみられなかった。
コメント CHANCEサブ解析において,MRI・MRA実施例の半数以上に頸動脈または頭蓋内狭窄/閉塞が検出されたことは,驚きである。ただ,登録症例全体の約20%しか解析されていないため,DAPTの有効性,安全性について有意な結果が得られていない。同様の研究を重ね,更なる検討が望まれる。(岡田靖

目的 中国で行われたCHANCE試験において,clopidogrel+aspirin併用はaspirin単独にくらべ脳卒中再発を抑制した。ただし,本試験はICASを認める症例が西洋より多かったため,このような結果になったという懸念がある。本サブグループ解析では,clopidogrel+aspirin併用のaspirin単独に対する有効性および安全性がICASの有無にかかわらず一貫しているかどうか,検討を行った。有効性主要評価項目:90日間の脳卒中(虚血性/出血性)再発。安全性主要評価項目:90日間のGUSTO出血基準中等度~重篤な出血
デザイン CHANCEは無作為割付,二重盲検試験。NCT00979589。
セッティング 多施設(114施設,本解析はこのうち45施設),中国。
期間 登録期間は2009年10月~2012年7月。
対象患者 1,089例。CHANCE登録患者(40歳以上,症状発現から24時間以内に試験薬の投与開始が可能な軽症虚血性脳卒中(National Institute of Health stroke scale:NIHSSスコア≦3)またはTIA(ABCD2スコア≧4])患者)5,170例のうち,ベースライン時のMRIデータ(T1強調画像,T2強調画像,DWI,3D- TOF法)がある症例。ICASの定義は,3D-TOF法で50%以上狭窄または閉塞所見の存在。
【除外基準】-
【ICASの有無別の患者背景】ICASなし:年齢中央値はaspirin単独群60.5歳,併用群61.6歳(p<0.0001)。各群の女性29.2%,35.3%。病歴:虚血性脳卒中13.3%,12.3%(p<0.0001),TIA 1.6%,2.0%(p=0.013),糖尿病17.2%,17.0%(p=0.001)。当該イベント:TIA 27.0%,23.3%,軽症脳卒中73.1%,76.7%。
ICASあり:年齢中央値はaspirin単独群65.8歳,併用群65.9歳。各群の女性39.2%,35.5%。虚血性脳卒中21.6%,23.8%,TIA 5.2%,3.5%,糖尿病22.4%,29.0%。当該イベント:TIA 22.8%,23.8%,軽症脳卒中77.2%,76.2%。
p値はICASの有無での比較。
治療法 CHANCEは以下の2群に無作為割付。
併用群:531例(ICASなし300例+あり231例)。最初の21日間はclopidogrel+aspirin併用,第22~90日はclopidogrel単独投与。
aspirin単独群:558例(308例+250例)。 90日間aspirin+プラセボ投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
608例(55.8%)にICASを認めた。
90日後の脳卒中再発率はICAS群12.5%で,非ICAS群5.4%にくらべ高かった(HR 2.39,95%CI 1.57-3.66,p<0.0001)。
90日後の全出血はICAS群1.9%で,非ICAS群2.3%と同程度であった(p=0.623)。
clopidogrel+aspirin併用およびaspirin単独の比較について,ICASの有無による交互作用は,有効性,安全性とも認めなかった。
全脳卒中:ICASありHR 0.79,0.47-1.32,ICASなしHR 1.12,0.56-2.25,交互作用のp=0.522。
全出血:ICASありHR 2.83,0.57-14.11,ICASなしHR 1.02,0.35-2.97,交互作用のp=0.277。

●有害事象

文献: Liu L, et al.; CHANCE Investigators. Dual antiplatelet therapy in stroke and ICAS: Subgroup analysis of CHANCE. Neurology 2015; 85: 1154-62. pubmed
関連トライアル Alcocer F et al, CAPRIE 1996, CARESS, CASPAR , CHANCE, CHANCE functional outcome, CHARISMA, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA post hoc analysis, CHARISMA subgroup analysis, CREDO, CURRENT-OASIS 7 undergoing PCI, DAPT, DES LATE, EXPRESS risk of bleeding, FASTER, MATCH, OPTIMIZE, PRoFESS, PRoFESS post hoc analysis, SPS3, SPS3 post hoc analysis, TOSS-2, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較(2013), 血管疾患患者に対する抗血小板療法, 脳卒中/TIA後のDAPTによる二次予防
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