抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
CHA2DS2-VASc 1点の心房細動患者における脳梗塞リスク
Ischemic Stroke Risk in Patients With Atrial Fibrillation and CHA2DS2-VASc Score of 1: Systematic Review and Meta-Analysis
結論 心房細動患者の脳梗塞リスクに関する本メタ解析より,CHA2DS2-VAScスコア1の患者に対しては非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)を考慮してよいと考えられる。ただし,試験間の不均一性が大きかったため,個々の患者の特性に基づいて判断すべきであろう。

目的 CHA2DS2-VAScスコア1の患者に対して,ESCのガイドラインではwarfarinの代替薬としてNOACを推奨しているが,AHA/ACC/HRSガイドラインではこれらの患者の一部には抗血栓療法なし,aspirin,経口抗凝固薬が適切としている。本研究では,経口抗凝固薬を投与されていないCHA2DS2-VAScスコア0/1/2の心房細動患者の脳梗塞リスクに関し,システマティックレビューおよびメタ解析を行った。
方法 MEDLINE,Embase,PubMed,Cochrane Central Register of Controlled Trials,Cochrane Database of Systematic Reviews,Web of Scienceにて,データベース開始時~2015年4月15日まで検索。
対象:NVAF患者における脳梗塞発症率を,CHA2DS2-VAScスコアで分類した試験。
除外:糖尿病や術後患者など,心房細動以外の併存疾患を有する患者のみを登録した試験,経口抗凝固薬を投与されていない患者を含まない試験。
ランダム効果メタ解析を用いて脳梗塞の年間発症率を推算し,経口抗凝固療法による脳梗塞発症抑制のベネフィットが出血リスク上昇を上回る論理的閾値(dabigatranは0.9%,warfarinは1.7%。Eckman MH, et al. Circ Cardiovasc Qual Outcomes 2011; 4: 14-21)と比較した。
対象 10試験(Komatsu T, et al. J Cardiol 2012; 59: 321-8,Suzuki S, et al. Circ J 2015; 79: 432-8を含む)。
主な結果 ・脳梗塞
CHA2DS2-VAScスコア1の患者の脳梗塞年間発症率は1.61%(2,517件/166,017患者・年,95%CI 0-3.23%)であった(I2=99.69%,Egger regression test’s p=0.299)。これは,NOACを開始する論理的閾値(0.9%)を満たしたが,warfarinの閾値(1.7%)は下回った。
CHA2DS2-VAScスコア0では0.68%(761件/109,197患者・年,95%CI 0.12-1.23%),I2=98.96%,Egger regression test’s p=0.245。
同スコア2では2.49%(4,319件/133,298患者・年,95%CI 1.16-3.83%),I2=96.94%,Egger regression test’s p=0.551。
文献: Joundi RA, et al.; Stroke Outcomes Research Working Group. Ischemic Stroke Risk in Patients With Atrial Fibrillation and CHA2DS2-VASc Score of 1: Systematic Review and Meta-Analysis. Stroke 2016; 47: 1364-7. pubmed
関連トライアル Abraham JM et al, Lip GY et al, RAF, Sambola A et al
関連記事