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IST-3 hyperdense artery sign
結論 alteplase静注により,高吸収域動脈サイン(HAS)の部位または程度にかかわらず,HASに測定可能な縮小化がもたらされた。alteplaseはHASの有無にかかわらず,6ヵ月後の自立を増加させた。
コメント Hyperdense artery sign(HAS)は,頭部CT画像で頭蓋内動脈内に示される栓子陰影である。アルテプラーゼ静注療法によってこの陰影が縮小することは,栓子の溶解や移動を意味していることから,転帰改善と相関することは理にかなっている。HASの縮小や消失も,アルテプラーゼ血栓溶解療法におけるsurrogate markerの一つとして考慮したい。(矢坂正弘

目的 CT上のHASは来院時の脳卒中重症度ならびに長期転帰増悪と関連しているが,部位や程度がどのように機能的転帰と関連するかについてのデータは十分ではない。本論文はIST-3の画像データを用い,発症時のHASの部位や程度がalteplase静注に対する反応に影響するか検討した。
デザイン IST-3はPROBE試験。intention-to-treat解析。ISRCTN25765518。
セッティング IST-3は多施設,複数国。
期間
対象患者 2,961例。IST-3登録患者(発症から6時間以内に治療可能な脳梗塞患者で,alteplaseによる効果が期待できるものの,確実ではない症例)3,035例のうち,無作為割付前に非造影CTを撮像した患者。
【除外基準】頭蓋内出血,脳腫瘍などの脳卒中類似症(CT/MRIによる),alteplase投与の明らかに適応または禁忌となる患者など。
【HASの有無別の患者背景】年齢中央値はHASあり群80歳,なし群81例(p=0.003)。それぞれの男性49.7%,47.7%。症状発現から無作為割付前のスキャンまでの平均経過時間159分,164分。追跡画像撮像までの経過時間中央値26時間,26時間。ベースライン時のNIHSS中央値16,9(p<0.001)。6ヵ月後のOHS中央値5,3(p<0.001)。6ヵ月後の死亡36.7%,23.8%(p<0.001)。alteplase静注51.4%,49.7%。
治療法 alteplase群(0.9mg/kg静注)または対照群に無作為割付。
追跡完了率
結果

●評価項目
HASは716例(24.2%)に認めた。
HASありはなしに対し,6ヵ月後の転帰不良(OHS上昇)を調整順序回帰分析により独立して予測した(OR 0.66,95%CI 0.55-0.80,p<0.001)。HASが増大した症例では,縮小した症例にくらべ転帰が悪化したが(OR 0.61,0.39-0.94,p=0.027),遠位部の近位部に対する差はみられなかった(OR 1.17,0.80-1.71,p=0.420)。
無作為割付時から追跡スキャンまでの変化をみたところ,加齢はHASの増大と関連していた(OR 1.01,1.00-1.02,p=0.013)。alteplase治療により,追跡時のHAS縮小または消失が増加した(OR 0.77,0.65-0.93,p=0.006)。
alteplaseによるHAS縮小効果について,近位部と遠位部(近位部:OR 0.66,0.45-0.98,遠位部:OR 0.51,0.26-1.00,交互作用p=0.516),増大と非増大(増大:OR 0.60,0.43-0.85,非増大:OR 0.78,0.33-1.86,交互作用p=0.580)でそれぞれ有意差を認めなかった。
HASの有無とalteplaseの治療効果(6ヵ月後のOHS改善)との間の交互作用は認められなかった(HASあり:OR 1.05,0.75-1.45,なし:OR 1.36,1.16-1.60,交互作用p=0.167)。

●有害事象

文献: Mair G, et al., IST-3 Collaborative Group. Effect of alteplase on the CT hyperdense artery sign and outcome after ischemic stroke. Neurology 2015; 86:118-25. pubmed
関連トライアル ASTRAL influence of arterial occlusion, Cappellari M et al, ECASS III, ECASS III additional outcomes, EPITHET, ESCAPE, IPSS use of alteplase, IST-3, IST-3 18-month follow-up, IST-3 brain imaging signs, IST-3 clinically important subgroups, IST-3 mild stroke, IST-3 mortality, Mattle HP et al, Power A et al, PRACTISE gender difference, SAMURAI CT versus DWI, SITS-EAST stroke recurring within 3 months, SITS-ISTR sex differences, SITS-ISTR young patients, 虚血性脳卒中患者に対するrt-PA療法
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