抗血栓トライアルデータベース
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AMPLIFY early time courses
結論 静脈血栓塞栓症(VTE)患者において,apixabanは治療開始から7,21,90日後の全評価ポイントで有効性において従来型治療に対し非劣性を示し,過剰な早期再発もみられなかった。apixaban群では治療早期から出血リスクが抑制された。
コメント 静脈血栓塞栓症の治療において,特に再発や出血のリスクが高い治療開始初期に注目したAMPLIFY試験のサブ解析結果である。再発率についてはアピキサバン群と従来治療群と同等であり,大出血については最初の1週間は維持期の倍量の高用量を投与することになるアピキサバン群でイベント増加が危惧されるが,本解析では7日後,21日後,90日後のいずれでも従来治療群よりも低率であることが確認された。(山田典一

目的 VTEに対する抗凝固療法開始から1週間以内は,再発・出血リスクがもっとも高い。そこで,AMPLIFYの事前設定サブ解析により,再発,大出血リスクを経時的(治療開始から7,21,90日後)に検討した。主要評価項目:VTE再発+VTE関連死の複合。安全性主要評価項目:大出血。
デザイン AMPLIFYは無作為割付,二重盲検試験。NCT00643201。
セッティング AMPLIFYは多施設(358施設),28ヵ国。
期間 登録期間は2008年8月~2012年8月。
対象患者 5,395例。18歳以上,客観的に診断された症候性深部静脈血栓症(DVT)または肺塞栓症(PE;DVT合併の有無は問わない)患者。
【主要除外基準】活動性出血,出血高リスク,enoxaparin/warfarinに対し禁忌,長期の低分子量heparin(LMWH)投与が予定されている癌患者,誘発因子を有するDVT/PEだが持続性再発リスクがない,抗凝固療法の予定が6ヵ月未満,長期抗凝固療法/抗血小板薬2剤併用療法/>165mg/日のaspirinの適応病態を有する,血清クレアチニン>2.5mg/dLもしくはクレアチニンクリアランス<25mL/分。また,試験登録前の抗凝固療法について制限を設けた[LMWH(1日1回投与)/fondaparinux/ビタミンK拮抗薬を>2用量,LMWH(1日2回投与)を>3用量,heparin静注を>36時間]。
【患者背景】平均年齢はapixaban群57.2歳,従来型治療群56.7歳。各群の男性58.3%,59.1%。平均体重84.6kg,84.6kg。クレアチニンクリアランス≦30mL/分0.5%,0.6%,>30~≦50mL/分6.0%,5.5%。試験登録対象疾患:DVT単独65.0%,65.9%,PE単独25.2%,25.2%,両者合併9.4%,8.3%。当該DVTのもっとも近位の部位:膝窩静脈24.4%,24.7%,大腿静脈32.6%,32.8%,総大腿静脈または腸骨静脈43.1%,42.3%。当該PEの解剖学的範囲:限定的(単葉の血管系の≦25%)8.5%,9.8%,中等度42.2%,43.6%,広範囲(複数の肺葉で血管系の≧50%)38.4%,36.0%。症状発現から無作為割付まで中央値5.0日,5.0日。VTEの臨床像:特発性89.8%,89.8%,誘発因子を有する10.1%,10.1%。VTE既往17.2%,15.1%。従来型治療群におけるenoxaparin中止時のTTR 60.9%。
治療法 AMPLIFYは以下の2群に無作為割付。
apixaban群:2,691例。最初の7日間は10mgを1日2回投与し,その後6ヵ月5mg 1日2回投与。
従来型治療群:2,704例。enoxaparin 1mg/kgを最低5日間12時間間隔で投与し,同時にwarfarin(PT-INR 2.0~3.0になるよう用量調整)を6ヵ月間投与。enoxaparinはPT-INRが2.0以上になった後に中止した。
追跡完了率
結果

●評価項目
各評価時点での有効性主要評価項目は以下の通りであった。
7日後:apixaban群18例(0.7%),従来型治療群23例(0.9%),RR 0.79,95%CI 0.43-1.46。
21日後:29例(1.1%),35例(1.3%),RR 0.83,0.51-1.36。
90日後:46例(1.8%),58例(2.2%),RR 0.80,0.54-1.17。
6ヵ月後:59例(2.3%),71例(2.7%),RR 0.84,0.60-1.18,非劣性p<0.001(非劣性の定義:95%CI上限<1.80)。
各評価時点での大出血は以下の通りであった。
7日後:apixaban群3例(0.1%),従来型治療群16例(0.6%),RR 0.19,95%CI 0.06-0.65。
21日後:5例(0.2%),26例(1.0%),RR 0.19,0.08-0.50。
90日後:11例(0.4%),38例(1.4%),RR 0.29,0.15-0.57。
6ヵ月後:15例(0.6%),49例(1.8%),RR 0.31,0.17-0.55,優越性p<0.001。

●有害事象

文献: Raskob GE, et al. Early time courses of recurrent thromboembolism and bleeding during apixaban or enoxaparin/warfarin therapy. A sub-analysis of the AMPLIFY trial. Thromb Haemost 2016; 115: 809-16. pubmed
関連トライアル ADOPT, ADVANCE, ADVANCE-2, AMPLIFY, AMPLIFY cancer patients, AMPLIFY-J, APROPOS, ARISTOTLE outcome of major bleeding, ARISTOTLE risk score, Botticelli, Campbell IA et al, CASSIOPEA, CATCH, Clark NP et al, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, Hokusai-VTE, Hokusai-VTE East Asia patients, INSPIRE, PADIS-PE, PREVAIL, RE-COVER II , RECORD3, THRIVE
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