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ENGAGE AF-TIMI 48 East Asian patients
結論 東アジアの非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,edoxaban 1日1回投与はwarfarinと同様の有効性を示し,大出血は減少した。
コメント この報告により,DOAC 4剤のAsiaあるいはEast Asiaのサブ解析が出そろった。エドキサバンについては,non-East Asiaのデータで,高用量群では大出血17%,East Asiaで39%減少,消化管出血はnon-East Asiaで27%増加,East Asiaでは9%減少,頭蓋内出血はnon-East Asiaで49%減少,East Asiaで69%減少と,いずれもEast Asiaでより安全性に差を認め,アジア人でのメリットが示された。一方,有効性評価指標について全体と同様の結果を示したことから,アジア人で使用するメリットはより大きいと考えられる。(是恒之宏

目的 ENGAGE AF-TIMI 48 では,NVAF患者の脳卒中/全身性塞栓症予防について,edoxaban 1日1回投与はwarfarinに対し非劣性を示した。ここでは,事前に定められたサブ解析として,東アジア人患者におけるedoxabanの有効性および安全性を評価した。有効性主要評価項目:脳卒中(虚血性/出血性)または全身性塞栓症初発までの期間。安全性主要評価項目:ISTH出血基準大出血
デザイン ENGAGE AF-TIMI 48は無作為割付,二重盲検試験。有効性主要評価項目解析対象:modified intention-to-treat集団,安全性主要評価項目解析対象:試験薬を1回以上投与された患者全例。
セッティング ENGAGE AF-TIMI 48は多施設,複数国。
期間 登録期間は2008年11月19日~2010年11月22日。
対象患者 1,943例。ENGAGE AF-TIMI 48(21歳以上,無作為割付前12ヵ月以内に心房細動が確認された患者で,CHADS2スコア 2点以上)登録患者21,105例のうち,日本(1,010例),中国(469例),台湾(234例),韓国(230例)の患者。
【除外基準】クレアチニンクリアランス(CrCl)<30mL/分,出血高リスク,抗血小板薬2剤併用が必要,急性冠症候群または脳卒中発症から30日以内など。
【地域別(東アジア1,943例,非東アジア19,162例)の患者背景】平均年齢は東アジア70.1歳,非東アジア70.7歳(p=0.0085)。それぞれの女性28.0%,39.1%*。平均体重67.0kg,85.6kg *。無作為割付時の用量減量46.9%,23.2%*。平均CHADS2スコア2.9,2.8。脳卒中/TIA既往42.4%,26.9%*。≧60日のビタミンK拮抗薬服用歴59.3%,58.9%。発作性心房細動19.2%,26.1%*。無作為割付時の薬物療法:aspirin 27.9%,29.4%,チエノピリジン系薬剤3.1%,2.2%(p=0.016)。*p<0.0001
治療法 以下の3群に割付。
edoxaban高用量群:646例。60mg 1日1回投与。
edoxaban低用量群:653例。30mg 1日1回投与。
warfarin群:644例。PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
edoxaban両用量群とも,登録時もしくは試験期間中にCrCl 30~50mL/分,体重≦60kg,P糖蛋白阻害薬併用の場合,用量を半分に減量した。
追跡完了率 追跡完了はedoxaban高用量群609/646例,低用量群:612/653例,warfarin群592/644例。
結果

●評価項目
warfarin群における東アジア人の平均TTR(INR 2.0~3.0)は67.1%で,非東アジア人の68.6%と同程度であった。
東アジア人における脳卒中/全身性塞栓症の年間発症率は,edoxaban高用量群1.34%/年 vs. warfarin群2.62%/年(HR 0.53,95%CI 0.31-0.90,p=0.02),edoxaban低用量群2.52%/年(HR 0.98,0.63-1.54,p=0.93)。
これは,非東アジア人における結果と一貫していた(edoxaban高用量群1.16%/年 vs. warfarin群1.38%/年(HR 0.84,0.68-1.04,p=0.10),edoxaban低用量群1.51%/年(HR 1.09,0.90-1.33,p=0.38)。
東アジア人における大出血は,warfarin群(4.80%)に比較して,edoxaban高用量(2.86%,HR 0.61,0.41-0.89,p=0.011),低用量(1.59%,HR 0.34,0.21-0.54,p<0.001)とも減少した。
これは,非東アジア人における結果と一貫していた(edoxaban高用量群2.74%/年 vs. warfarin群3.29%/年(HR 0.83,0.73-0.96,p=0.009),edoxaban低用量群1.62%/年(HR 0.49,0.42-0.58,p<0.001)。
東アジア人における頭蓋内出血は,warfarin群(1.92%/年)に比較して,edoxaban高用量(0.60%/年,HR 0.31,0.15-0.66,p=0.002),低用量(0.46%/年,HR 0.24,0.11-0.56,p<0.001)とも減少した。

●有害事象

文献: Yamashita T, et al. Edoxaban vs. Warfarin in East Asian Patients With Atrial Fibrillation - An ENGAGE AF-TIMI 48 Subanalysis. Circ J 2016; 80: 860-9. pubmed
関連トライアル ARISTOTLE concomitant aspirin use, ARISTOTLE major bleeding, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, Carrero JJ et al, CATCH, ENGAGE AF-TIMI 48, ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events, ENGAGE AF-TIMI 48 dose and outcomes, ENGAGE AF-TIMI 48 regional differences, ENGAGE AF-TIMI 48 transition to open-label anticoagulation, ENGAGE AF-TIMI 48 VKA experienced and naive, Hokusai-VTE, Hokusai-VTE East Asia patients, J-RHYTHM Registry warfarin use, J-ROCKET AF, J-ROCKET AF renal impairment, Koretsune Y et al, NVAFにおける全身性塞栓症予防のためのwarfarin, RE-LY Asian subgroup, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF East Asian patients, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, ROCKET AF temporary interruption, SPAF III 1996, SPORTIF V, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性
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