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EINSTEIN PE and DVT major bleeding
結論 急性症候性静脈血栓塞栓症(VTE)患者に対するrivaroxabanの投与は,低分子量heparin(LMWH)/ビタミンK拮抗薬(VKA)に対し,重大な出血事象減少と関連しており,LMWH/VKA投与下での出血事象発症例の臨床所見とくらべ軽症で,重篤な臨床経過を呈する症例も少なかった。

目的 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)であるrivaroxabanは,固定用量で投与でき,定期的なモニタリングや用量調整は不要である。EINSTEIN試験では,VTE(延長)治療において,enoxaparin/VKA(LMWH/VKA)に対する安全性および有効性が示された。ただし,NOACによる臨床的に問題となる出血事象の影響に関する情報は不足している。本post hoc解析では,重大な出血事象の臨床像の重症度および出血発現後の臨床経過について,rivaroxabanとLMWH/VKAの比較を行った。
デザイン EINSTEINはPROBE試験。
セッティング 多施設,複数国。
期間
対象患者 8,246例。EINSTEIN PEおよびDVT登録患者(成人の急性症候性肺塞栓症および急性症候性近位部深部静脈血栓症患者)。
【除外基準】-
【患者背景】-
治療法 EINSTEINは以下の2群に無作為割付。
rivaroxaban群:4,130例。初期治療として15mg 1日2回を3週間投与後,維持用量として20mg 1日1回投与。
LMWH/VKA群:4,116例。enoxaparin 1.0mg/kg皮下注1日2回および用量調整(目標PT-INR 2.0~3.0)のVKA投与。enoxaparinは少なくとも5日以上投与し,PT-INRが2日間≧2.0となった時点で中止した。
追跡完了率
結果

●評価項目
ISTH出血基準の重大な出血事象はrivaroxaban群40例(1.0%)で,LMWH/VKA群72例(1.7%)に比し抑制された(HR 0.54,95%CI 0.37-0.79)。
致死的出血はrivaroxaban群3件(致死率7.5%),LMWH/VKA群8件(同11.1%)。
重要な臓器における出血事象はrivaroxaban群10例(0.2%),LMWH/VKA群29例(0.7%)で,内訳はそれぞれ,後腹膜1例(<0.1%),8例(0.2%),頭蓋内3例(<0.1%),10例(0.2%),眼内3例(<0.1%),3例(<0.1%),心膜0例,2例(<0.1%),関節内0例,4例(<0.1%)。
rivaroxaban群における最も重篤な臨床所見を呈する出血(血行動態不安定などの医学的な緊急事態を呈している,もしくは致死的出血)は23%で,LMWH/VKA群の38%に比し抑制された(HR 0.35,95%CI 0.17-0.74,p=0.0062)。
最も重篤な臨床経過を呈する出血(生命に関わる,もしくは死亡が避けられない出血)については,rivaroxaban群では25%で,LMWH/VKA群の33%に比し抑制された(HR 0.46,95%CI 0.22-0.96,p=0.040)。

●有害事象

文献: Eerenberg ES, et al. Clinical impact and course of major bleeding with rivaroxaban and vitamin K antagonists. J Thromb Haemost 2015; 13: 1590-6. pubmed
関連トライアル CORONOR, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, EINSTEIN-PE, J-EINSTEIN DVT and PE, RECORD3, ROCKET AF major bleeding, VENTURE-AF, VTEの治療ストラテジー:8つの抗凝固療法の比較, VTE治療における新規経口抗凝固薬, X-VeRT, アブレーション周術期におけるrivaroxabanの有効性および安全性, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較
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