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メタ解析
アブレーション周術期におけるrivaroxabanの有効性および安全性
Efficacy and safety of rivaroxaban compared with vitamin K antagonists for peri-procedural anticoagulation in catheter ablation of atrial fibrillation: a systematic review and meta-analysis
結論 カテーテルアブレーションを行う心房細動患者において,rivaroxabanはビタミンK拮抗薬の有効かつ安全な代替薬と考えられる。
コメント 比較的small studyの集団ではあるが,メタ解析の結果,アブレーション周術期のリバーロキサバン継続,あるいは24~48時間前より中止,12時間以内に再開(一部ヘパリンブリッジ)とも,ワルファリンに比し有効性,安全性のいずれも同等であることを示した論文である。他のDOACでもランダム化比較試験が進行中であり,その結果に注目したい。(是恒之宏

目的 カテーテルアブレーション(以下,アブレーションと略す)を行う心房細動患者に対し,rivaroxabanが多く用いられるようになっている。大規模RCTが行われていないため,血栓塞栓症や出血イベントなどのまれな周術期転帰のエビデンスを得るためには,メタ解析がもっともよい方法と考えられる。われわれは,アブレーションを行う心房細動患者において,周術期rivaroxabanの安全性および有効性を検討した。有効性評価項目:症候性血栓塞栓イベント(脳梗塞,TIA,全身性塞栓症を含む)。安全性評価項目:大出血。
方法 2010年1月~2015年4月,MEDLINE,Cochrane Library,ウェブサイトのデータベースより,該当するフルサイズの英文論文を検索。重要な場合はアブストラクトも含めた。選択された論文の文献リストを用い,論文を追加した。
対象:(1)心房細動アブレーションをうける患者を対象,(2)rivaroxaban中断/継続投与に関連した,周術期の出血かつ/または血栓塞栓合併症を報告,(3)ビタミンK拮抗薬中断/継続投与の転帰を研究している。
除外:ビタミンK拮抗薬群を設けず,治療群ごとの転帰を報告していない研究。
対象 16件(観察研究15件[前向き3件+後ろ向き12件],RCT 1件[VENTURE-AF])。
7,400例(rivaroxaban群1,994 例+ビタミンK拮抗薬群5,406例)。
主な結果 ・rivaroxabanの用量など
rivaroxabanの用量は,日本の2研究(TaoらおよびToyamaら)では10mgまたは15mg,それ以外は15mgまたは20mgをそれぞれ1日1回投与した。
6件では手技前にrivaroxabanを中断せず,継続して投与していた。それ以外では手技の24~48時間前に中断し(ヘパリンブリッジングは2件),手技後は12時間以内に再開していた。

・血栓塞栓イベント(15試験)
rivaroxaban群のほうがビタミンK拮抗薬群にくらべ低い傾向がみられた。
rivaroxaban群4/1,954例 vs. ビタミンK拮抗薬群19/5,219例,POR 0.40,95%CI 0.16-1.01,p=0.052,I2=0%。

・大出血(16試験)
両群で同程度であった。
rivaroxaban群23/1,994例(1.15%) vs. ビタミンK拮抗薬群90/5,406例(1.66%),POR 0.74,95%CI 0.46-1.21,p=0.23,I2=0%。

・小出血(14試験)
両群で同程度であった。
rivaroxaban群87/1,753例(4.96%) vs. ビタミンK拮抗薬群165/4,009例(4.12%),POR 0.84,95%CI 0.63-1.11,p=0.22,I2=0%。

・出版バイアス(Begg and Mazumdar's test)
血栓塞栓イベント(p=0.44),大出血(p=0.29),小出血(p=0.48)とも,出版バイアスは認めなかった。
文献: Vamos M, et al. Efficacy and safety of rivaroxaban compared with vitamin K antagonists for peri-procedural anticoagulation in catheter ablation of atrial fibrillation: a systematic review and meta-analysis. Europace 2016; 18: 1787-94. pubmed
関連トライアル COMPARE, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF temporary interruption, VENTURE-AF, VTEの治療ストラテジー:8つの抗凝固療法の比較, X-VeRT, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較, 心房細動およびVTE患者におけるNOACの大出血関連致死率, 脳卒中/TIA既往を有する心房細動患者における新規抗凝固薬
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