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メタ解析
脳微小出血と血栓溶解療法後の脳内出血
Cerebral microbleeds and postthrombolysis intracerebral hemorrhage risk: Updated meta-analysis
結論 脳微小出血を有する虚血性脳卒中患者では,血栓溶解療法後の症候性脳内出血リスクの上昇がみられた。しかしながら,このメタ解析はバイアスまたは交絡因子を完全に排除できず,本結果は新たな研究仮説を生む準備的な結果と解釈されるべきである。現在のエビデンスでは,脳微小出血の検出により血栓溶解療法を控えるべきではなく,脳微小出血の数や部位,機能的転帰などを考慮した更なる研究が必要である。
コメント 高齢化が進み,microbleedsがしばしば検出されるようになった。rt-PA療法後の脳内出血の増加には,microbleedsと関連するさまざまな易出血性要因が相互に関与しているため,より長期で,機能予後を目標にした,更に多数例での分析が必要であろう。(岡田靖

目的 血栓溶解療法をうける虚血性脳卒中患者において,治療前にMRIで検出された脳微小出血が症候性脳内出血リスク上昇と関連しているかについては,これまでに相反する結果が報告されている。2012年のメタ解析では,リスク上昇傾向が認められた。本研究は最近の試験を対象に加え,最新のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。
方法 1995年1月1日~2014年10月6日,PubMedにて検索。検索論文やレビュー論文の文献リストも参考にした。
対象:(1)血栓溶解療法をうけた虚血性脳卒中患者において,症候性脳内出血リスクを定義および評価,(2)治療前のMRIで検出された脳微小出血との関連からリスクを定量化。
除外:症例報告。
対象 10試験(Yan 2014,Gratz 2014,Dannenberg 2014,Kimura 2013,Moriya 2013,Fiehler 2007,Kim 2006,Kakuda 2005,Derex 2004,Kidwell 2002)。
2,028例。
主な結果 ・脳微小出血有病率
脳微小出血は472例(23.3%)に認めた。

・血栓溶解療法後の症候性脳内出血
血栓溶解療法後の症候性脳内出血は,脳微小出血群40/472例(8.5%,95%CI 6.1%-11.4%)で,非脳微小出血群61/1,556例(3.9%,95%CI 3.0%-5.0%)に比しリスク上昇を認めた(OR 2.26,95%CI 1.46-3.49,I2=9.7%,p<0.0001)。

・血栓溶解療法のみで治療された患者における症候性脳内出血
8試験(1,704例)における血栓溶解療法後の症候性脳内出血は,脳微小出血群35/401例で,非脳微小出血群41/1,303例に比しリスク上昇を認めたOR 2.87(95%CI 1.76-4.69,I2=0%,p<0.0001)。
文献: Charidimou A, et al. Cerebral microbleeds and postthrombolysis intracerebral hemorrhage risk Updated meta-analysis. Neurology 2015; 85: 927-4. pubmed
関連トライアル Kellert L et al, Power A et al, SAINT postthrombolysis ICH, Seet RC et al, Singer OC et al, SITS-ISTR young patients, SITS-MOST multivariable analysis, Tsivgoulis G et al, Turc G et al, Tutuncu S et al, ultrasound-enhanced thrombolysisの安全性および有効性, 抗血栓薬使用,脳内微小出血および脳内出血, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法, 肺塞栓症患者に対する血栓溶解療法および全死亡,大出血,頭蓋内出血リスク
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