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JCD-KiCS Japan Cardiovascular Database Keio interhospital Cardiology Study
結論 ガイドラインで推奨されているにもかかわらず,PCI施行患者の約1/3が周術期に抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)をうけていなかった。本研究では,DAPTをうけたPCI施行患者では,出血は増加せず,術後心イベントが抑制された。リアルワールドのPCI施行患者においてDAPTを行うには,更なる研究が必要である。

目的 PCI周術期のDAPTが転帰を改善することは示されているが,日本人患者における手技の有効性とその合併症について,大規模な検討は行われていない。われわれは,PCI前のDAPTのリスクおよびベネフィットと院内転帰との関連を検討した。評価項目:院内死,心原性ショック,心不全,術後心筋梗塞,出血性合併症。
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設(東京都市圏における主要教育病院12施設),日本。
期間 登録期間は2008年9月~2013年9月。
対象患者 6,528例。当該期間にPCIをうけた18歳以上の患者連続例。
【除外基準】DAPTに対する禁忌,clopidogrel以外の抗血小板薬(cilostazol,ticlopidineなど)投与例,手技にて心肺停止もしくは心原性ショック。
【患者背景】平均年齢はDAPT群67.1歳,非投与群66.5歳(p=0.032)。各群の女性19.3%,24.5%(p<0.001)。糖尿病37.7%,37.2%。高血圧64.7%,63.5%。脂質異常症57.5%,53.3%(p=0.002)。ステージ≧3の慢性腎臓病12.0%,8.8%(p<0.001)。心筋梗塞既往6.7%,6.6%。2枝疾患43.1%,33.6%(p<0.001),3枝疾患23.3%,18.9%(p<0.001)。PCIの適応:STEMI(<12時間)20.5%,23.6%(p=0.005),STEMI(>12時間,不安定)5.3%,5.8%,NSTEMI/不安定狭心症28.4%,31.6%(p=0.045),安定狭心症24.1%,18.2%(p<0.001)。DES 63.01%,52.1%(p<0.001),BMS 26.7%,29.8%(p=0.023)。
治療法 手技前の24時間以内にaspirin 162~325mg+clopidogrel 300mgを投与されていた患者をDAPT群(4,449例),それ以外を非投与群(2,079例)とした。
追跡完了率
結果

●評価項目
PCI施行例の31.8%は周術期にDAPTを投与されていなかった。非投与群の89.6%にはaspirinが投与されていたが,2剤目の抗血小板薬(clopidogrel,cilostazol,ticlopidine)処方率は2.2~3.4%と低かった。
多変量ロジスティック回帰分析によると,周術期のDAPT非実施は以下の項目と関連していた。
死亡,術後ショック,心不全の複合:OR 1.47,95%CI 1.10-1.96,p=0.009。
術後心筋梗塞:OR 1.41,95%CI 1.18-1.69,p<0.001。
DAPT非実施は手技関連出血性合併症と関連していなかった(OR 0.98,95%CI 0.71-1.59,p=0.764)。

●有害事象

文献: Ikegami Y, et al. Outcomes of Percutaneous Coronary Intervention Performed With or Without Preprocedural Dual Antiplatelet Therapy. Circ J 2015; 79: 2598-607. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG triple therapy, BMC2 registry, CREDO, DES留置後のDAPTの至適期間, DES留置後のDAPT延長投与, DES留置後長期DAPTによる死亡率, EXCELLENT, ITALIC, KAMIR, PARIS, PRODIGY impact of clinical presentation, PRODIGY in-stent restenosis, RESET, SECURITY, ステント留置術施行患者におけるTAPTの有効性および安全性
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