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XANTUS Xarelto for Prevention of Stroke in Patients with Atrial Fibrillation
結論 XANTUSは幅広い非弁膜症性心房細動(NVAF)患者におけるrivaroxabanの使用を調査した,はじめての国際的な前向き観察研究である。実臨床でrivaroxabanを投与されている患者において,脳卒中ならびに大出血の発現率は低かった。
コメント ROCKET AF試験では,脳梗塞高リスク患者(CHADS2スコア平均3.5,脳梗塞/全身性塞栓症既往55%)を対象としたが,XANTUS試験は,よりリスクの低い患者も含んだ前向きリアルワールドデータの国際レジストリー(CHADS2スコア平均2.0,脳梗塞/全身性塞栓症既往19%)であり,その結果が注目されていた。このリスク集団は,RE-LYやARISTOTLEとほぼ同等のリスクと考えられる。全体として,脳卒中および大出血の発症率は低かったという結論が得られている。日本におけるリバーロキサバンの用量は,標準用量15mg,調整用量10mgであるため,この結論がそのまま日本人にあてはまるか否かは不明であるが,初の大規模なリアルワールドデータとして知っておくべきであろう。試験の質として唯一気になる点は,CCrのmissingが全体の1/3あることである。(是恒之宏

目的 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)は,臨床試験の結果にもとづいてNVAF患者における脳卒中発症抑制のために推奨されているが,実臨床のさまざまな患者における安全性および有効性のデータが求められている。本研究では,実臨床において,rivaroxabanの安全性および有効性の調査を行った。主要評価項目:ISTH出血基準大出血事象,全死亡,他の有害事象。
デザイン 前向き観察研究。NCT01606995。
セッティング 多施設(311施設),複数国(欧州,イスラエル,カナダ)。
期間 登録期間は2012年6月~2013年12月。平均治療期間は329日。追跡期間は1年間または恒久的中止の30日後まで。
対象患者 6,784例。≧18歳,NVAFと診断され,rivaroxabanの服用を開始した患者。
【除外基準】薬剤非服用。
【患者背景】平均年齢71.5歳。男性59.2%。体重83.0kg。BMI 28.3kg/m2。クレアチニンクリアランス(mL/分)<15 0.3%,15以上30未満1.1%,30以上50未満8.0%,50以上80以下34.7%,80超21.5%,データなし34.4%。合併症:高血圧74.7%,糖尿病19.6%,脳卒中/全身性塞栓症/TIA既往19.0%,うっ血性心不全18.6%,心筋梗塞10.1%。心房細動:新規18.5%,発作性40.6%,持続性13.6%,永続性27.0%。平均CHADS2スコア2.0。平均CHA2DS2-VAScスコア3.4。以前の抗血栓療法:ビタミンK拮抗薬40.8%,直接トロンビン阻害薬3.1%,aspirin単独18.0%,抗血小板薬2剤併用1.0%,ヘパリン3.2%,複数の薬剤6.0%。ビタミンK拮抗薬服用経験45.5%。
治療法 rivaroxabanの用量および投与期間は担当医の裁量とした(試験参加国での承認用法・用量は,通常20mg 1日1回,ただし中等度~重度の腎機能低下例(クレアチニンクリアランス15~49mL/分)は15mg 1日1回)。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
安全性解析対象集団6,784例のうち,20mg 投与例は5,336例,15mg投与例は1,410例であった。大部分の患者(6,522例[96.1%])では観察期間終了までに治療中の大出血,全死亡,脳卒中/全身性塞栓症は認めなかった。
治療中の重大な出血の発現率は128例(2.1%/年)で,その内訳は,致死性出血0.2%/年,重要な臓器の出血0.7%/年(このうち頭蓋内出血は0.4%/年),粘膜出血は1.0%/年(このうち消化管出血は0.9%/年)。また,重大ではない出血事象は878例(15.4%/年)に発現した。
脳卒中または全身性塞栓症の発現は0.8%/年(51例),うち脳卒中は0.7%/年(43例)であった。脳卒中の内訳は,出血性脳卒中11例(0.2%),脳梗塞32例(0.5%)。
試験期間中の全死亡は1.9%/年(118例)に認めた。死因は,心血管系41.5%(心不全20.3%,突然死11.9%,心筋梗塞5.1%,非出血性脳卒中3.4%),がん19.5%,その他13.6%,致死性出血10.2%(頭蓋外出血4.2%,頭蓋内出血5.9%),感染症8.5%,説明できない死亡7.6%。
観察期間終了時の薬剤中止率は20.1%であった。
[用量別の比較]
血栓塞栓症事象(脳卒中,全身性塞栓症,一過性脳虚血発作[TIA],心筋梗塞)は20mg例1.6%/年,15mg例2.3%/年,重大な出血事象はそれぞれ1.8%/年,3.1%/年,全死亡は1.4%/年,3.7%/年であった。

●有害事象
-

文献: Camm AJ, et al.; XANTUS Investigators. XANTUS: a real-world, prospective, observational study of patients treated with rivaroxaban for stroke prevention in atrial fibrillation. Eur Heart J 2016; 37: 1145-53. pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, ARISTOTLE cardioversion, ARISTOTLE major bleeding, ARISTOTLE risk score, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, ENGAGE AF-TIMI 48 dose and outcomes, J-ROCKET AF renal impairment, Lakkireddy D et al, Lip GY et al, ORBIT-AF bridging, PROTECT AF, ROCKET AF, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF East Asian patients, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF intracranial hemorrhage, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, ROCKET AF temporary interruption, Swedish Atrial Fibrillation cohort study, VENTURE-AF, X-VeRT
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