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IMPACT IMPACT of BIOTRONIK Home Monitoring Guided Anticoagulation on Stroke Risk in Patients with ICD and CRT-D Devices
結論 除細動器留置患者において,遠隔的に検出された心房性頻脈性不整脈にもとづく抗凝固療法の早期開始および中止は,血栓塞栓症および出血を予防しなかった。

目的 心房性頻脈性不整脈のモニタリングにもとづいて抗凝固療法の開始および終了を決定するプロトコールは,通常治療にくらべ脳卒中および出血の両方を抑制するという仮説を検証した。主要評価項目:脳卒中,全身性塞栓症,大出血。
デザイン 無作為割付,単盲検試験。intention-to-treat解析。NCT00559988。
セッティング 多施設(104施設),複数国(北米,欧州,オーストラリア)。
期間 登録期間は2008年2月28日~2013年5月17日。
対象患者 2,718例。植込み型除細動器(ICD)または両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)を留置された,CHADS2スコア≧1,抗凝固療法に忍容性のある患者。
【除外基準】永続性心房細動,抗凝固療法禁忌。
【患者背景】平均年齢はインターベンション群64.7歳,対照群64.2歳。各群の男性74.4%,73.0%。CHADS2スコア中央値2,2。冠動脈疾患71.9%,71.2%。非虚血性心筋症29.0%,31.0%。虚血性心筋症59.3%,56.9%。弁膜症52.8%,52.0%。心筋梗塞55.6%,54.3%。心房細動/粗動既往12.3%,12.0%。
治療法 CHADS2スコアおよびデバイスの種類により層別化後,以下の2群に無作為割付。
インターベンション群:1,357例。遠隔技術により不整脈の継続的なモニタリングを実施し,心房性頻脈性不整脈が確認された場合,CHADS2スコア別に定められたプロトコールにもとづいて抗凝固療法を開始,中止,再開。洞調律が得られた場合は,モニタリングは継続したが,CHADS2スコアおよび不整脈無発生期間にもとづいて抗凝固療法は中止した(血栓塞栓症既往患者は継続)。心房性頻脈性不整脈が再発した場合は,出血発生例を除き抗凝固療法を即座に再開した。
対照群:1,361例。標準的なフォローアップおよび臨床基準にもとづいた抗凝固療法を実施。
抗凝固薬は,当初はwarfarin(PT-INR 2.0~3.0)のみであったが,dabigatran,rivaroxaban,apixabanが認可された後は,それらの使用も許可した。
追跡完了率 試験終了時,臨床状態の追跡が可能であったのは99.6%。
結果

●評価項目
2013年6月12日,中央値701日の追跡期間経過後,主要評価項目について両群間に有意差を認めなかったため,試験は中止となった。
945例(34.8%)に心房性頻脈性不整脈が発症し,264例が本試験の抗凝固療法の基準に合致した。心電図により91%で心房細動/粗動が確認された。
抗凝固療法開始までの期間中央値はインターベンション群3日,対照群54日(p<0.001)。
主要イベント(インターベンション群2.4%/年 vs. 対照群2.3%/年)は群間差を認めなかった(HR 1.06,95%CI 0.75~1.51,p=0.732)。
大出血は1.6%/年 vs. 1.2%/年(HR 1.39,95%CI 0.89~2.17,p=0.145)。
心房性頻脈性不整脈患者における血栓塞栓症は1.0%/年 vs. 1.6%/年(相対リスク-35.3%,95%CI -70.8~35.3%,p=0.251)。
心房性頻脈性不整脈は血栓塞栓症のリスクと関連するが,脳卒中との間の時間的関係は認められなかった。

●有害事象

文献: Martin DT, et al.; IMPACT Investigators. Randomized trial of atrial arrhythmia monitoring to guide anticoagulation in patients with implanted defibrillator and cardiac resynchronization devices. Eur Heart J 2015; 36: 1660-8. pubmed
関連トライアル ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AMADEUS, ARISTOTLE previous stroke/TIA, COMPARE, EAFT 1993, ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events, ENGAGE AF-TIMI 48 dose and outcomes, ORBIT-AF bridging, PROTECT AF, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY periprocedural bleeding, ROCKET AF, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF renal dysfunction, ROCKET AF temporary interruption, ROCKET-AF persistent vs. paroxysmal, SPAF II 1996, SPORTIF V, Swedish Atrial Fibrillation cohort study
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