抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
心房細動およびVTE患者におけるNOACの大出血関連致死率
Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants and major bleeding-related fatality in patients with atrial fibrillation and venous thromboembolism: a systematic review and meta-analysis
結論 本結果より,非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)は特に心房細動患者において,大出血に関連した致死率を抑制したことが示された。中和剤はないものの,NOACの安全性が支持された。

目的 NOACは有効かつ安全な抗血栓薬であるが,致死性出血の中和剤がないことが大きな限界となっている。本研究では,長期抗凝固療法を必要とする患者において,NOACによる出血関連致死率をビタミンK拮抗薬(VKA)または低分子量heparin(LMWH)+VKAの連続投与と比較した。主要評価項目:直接的,間接的に大出血イベントに関連した全死亡(致死性出血,大出血,致死率,大出血発生後の全死亡)。
方法 MEDLINE,CENTRAL,Cochrane Library,Web of Scienceにて,はじめから2014年11月まで検索。言語の制限は設けず,検索論文の文献リストもスクリーニングを行った。
対象:心房細動またはVTE患者において,第IIa因子阻害薬(dabigatran)または第Xa因子阻害薬(apixaban,darexaban,edoxaban,rivaroxaban)をVKAまたはLMWH+VKAの連続投与と比較したすべての第III相試験のうち,致死性および非致死性出血イベントを報告しているもの。
除外:最近の股/膝関節手術施行例,NOACを抗血小板薬と比較した試験。
対象 11試験(心房細動患者対象5試験:ARISTOTLERE-LYENGAGE AF-TIMI 48ROCKET AFJ-ROCKET AF,VTE患者対象6試験:Hokusai-VTE,EINSTEIN Acute PE,RE-COVERRE-MEDY EINSTEIN-PE AMPLIFY
薬剤別:rivaroxaban 4試験11,921例,dabigatran 3試験14,794例,apixaban 2試験11,799例,edoxaban 2試験18,187例。
100,324例(心房細動患者72,929例,VTE患者27,312例)。
主な結果 ・致死性出血
NOACの致死性出血はVKAにくらべ,心房細動患者では47%,VTE患者では64%低下した。
心房細動:OR 0.53,95%CI 0.42-0.68,I2=0%;患者1,000例につき3件のイベントを回避。
VTE:OR 0.36,95%CI 0.15-0.84,I2=0%;患者1,000例につき1件のイベントを回避。

・大出血致死率
NOACの大出血致死率はVKAにくらべ,心房細動では低かったが,VTEでは同程度であった。
心房細動:OR 0.68,95%CI 0.48-0.96,I2=37%,大出血39件につき1例の死亡を回避。
VTE:OR 0.54,95%CI 0.22-1.32,I2=0%。

・大出血発生後の全死亡率
心房細動患者における大出血後の生存者において,NOACはVKAにくらべ,全死亡率が低下した(OR 0.57,95%CI 0.45-0.73,I2=0%,大出血発生後の生存者1,000例につき78件のイベントを回避)。

出版バイアスは認めなかった(心房細動患者集団:Egger p=0.60,Peters p=0.71,VTE患者集団:Egger p=0.40,Peters p=0.45,全体:Egger p=0.74,Peters p=0.46)。
文献: Caldeira D, et al. Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants and major bleeding-related fatality in patients with atrial fibrillation and venous thromboembolism: a systematic review and meta-analysis. Heart 2015; 101: 1204-11. pubmed
関連トライアル Saji N et al, VTEの治療ストラテジー:8つの抗凝固療法の比較, VTE治療における新規経口抗凝固薬, 癌関連VTE患者における新規経口抗凝固薬の有効性および安全性, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較, 心房細動患者における新規抗凝固薬の有効性および安全性
関連記事