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Goldstein JN et al Four-factor prothrombin complex concentrate versus plasma for rapid vitamin K antagonist reversal in patients needing urgent surgical or invasive interventions: a phase 3b, open-label, non-inferiority, randomised trial
結論 緊急の外科手術または侵襲的手技をうけるためにビタミンK拮抗薬(VKA)の中和が必要な患者におけるPT-INRの迅速な低下および有効な止血について,4因子含有プロトロンビン複合体濃縮製剤(4F-PCC)は血漿製剤に比較して非劣性および優越性を示した。

目的 VKAによる抗凝固療法の迅速な中和は,緊急の外科的・侵襲的手技を行う患者でしばしば必要となる。しかし,それらの患者における中和について,統計的検出力のある臨床試験は行われておらず,至適手段は明らかになっていない。本試験は,緊急の外科手術または侵襲的手技をうける患者において,4F-PCCの有効性および安全性を血漿製剤と比較した。主要評価項目:緊急手術または侵襲的手技中の有効な止血,PT-INRの迅速な低下(投与終了の0.5時間後に≦1.3)。
デザイン 無作為割付,オープン,phase IIIb,非劣性試験(群間差[4F-PCC-血漿製剤]の95%CI下限値が-10%超と定義),試験。intention-to-treat解析。NCT00803101。
セッティング 多施設(33施設),6ヵ国。
期間 登録期間は2009年2月3日~2012年11月28日。試験終了は2013年2月21日。
対象患者 181例。PT-INR≧2.0のVKAを服用中の患者で,24時間以内に緊急手術または侵襲的手技が必要な症例。
【除外基準】正確な失血量の評価が不可能な手技を必要とする(動脈瘤破裂,外傷など),ビタミンK投与およびVKA投与の中止により是正できる血液凝固障害など。
【患者背景】平均年齢は4F-PCC群69.4歳,血漿製剤群66.0歳。各群の女性43%,38%。ベースライン時のPT-INR 2.90,2.90。手術/手技の種類:頭蓋神経外科1%,1%,心胸外科3%,4%,整形外科大手術23%,19%,その他の外科手術57%,58%,侵襲的手技15%,19%。ビタミンK投与:≦2mgを経口投与7%,2%,>2mgを経口投与10%,12%,静注80%,85%,投与なし2例,0例。VKA適応病態:不整脈48%,38%,血管疾患20%,22%,人工弁15%,17%,血栓塞栓イベント14%,20%。
治療法 以下の2群に無作為割付。
4F-PCC群:90例(ITT集団は87例)。
血漿製剤群:91例(同81例)。
ベースライン時のPT-INR値(試験薬投与の≦3時間前に測定)および体重にもとづき,PT-INRが2以上4未満の場合は4F-PCC 25IU/kgまたは血漿製剤10mL/kgを,PT-INRが4以上6以下の場合は4F-PCC 35IU/kgまたは血漿製剤12mL/kgを,PT-INR>6の場合は4F-PCC 50IU/kgまたは血漿製剤15mL/kgを投与した。体重が100kg以上の場合は100kgとして投与した。担当医の裁量により,4F-PCCは3IU/kg/分以下,血漿製剤はできる限り速やかに投与を行った。また,全例に対してACCPガイドラインにもとづいてビタミンKを投与した。
追跡完了率
結果

●評価項目
有効な止血は4F-PCC群 78例(90%),血漿製剤群61例(75%)で得られ,4F-PCCの血漿に対する非劣性および優越性が示された(差14.3%,95%CI 2.8-25.8,p=0.0142)。
PT-INRの迅速な低下は4F-PCC 群48例(55%),血漿製剤群8例(10%)で,4F-PCCの非劣性および優越性が示された(差45.3%,95%CI 31.9-56.4,p<0.0001)。

●有害事象
4F-PCCの安全性プロファイルは血漿とほぼ同様であった。有害事象は4F-PCC群49例(56%),血漿製剤群53例(60%)(p=0.54)。
血栓塞栓イベントは4F-PCC 群6例(7%),血漿群7例(8%)(p=0.77),輸液過剰または心イベント3例(3%),11例(13%)(p=0.0478),遅発性出血3例(3%),4例(5%)。

文献: Goldstein JN, et al. Four-factor prothrombin complex concentrate versus plasma for rapid vitamin K antagonist reversal in patients needing urgent surgical or invasive interventions: a phase 3b, open-label, non-inferiority, randomised trial. Lancet 2015; 385: 2077-87. pubmed
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