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ENGAGE AF-TIMI 48 dose and outcomes
結論 本知見は,臨床的特徴のみにもとづいたedoxabanの用量設定が,血中濃度の過度の上昇の予防や虚血/出血リスクを低下させるというストラテジーの妥当性を確認し,edoxabanの治療域が血栓塞栓症より大出血で狭いことを示唆した。
コメント dose reductionが必要な患者群は,脳卒中/全身性塞栓症および大出血のリスクが高いグループであることが,ワルファリン投与群のデータから理解できる。高用量群では,dose reductionによりエドキサバン血中濃度,anti-Xa活性とも低下しているが,有効性・安全性が保たれ,減量基準による適正な減量はreasonableである。
一方,低用量群では血中濃度,anti-Xa活性低下により,虚血性脳卒中は明らかに増加していることから,安易な15mg使用はしてはならないことが,今回のデータからも読み取れる。(是恒之宏

目的 NOACは固定用量で投与されるが,出血リスクを上昇させる血中濃度の過度の上昇を防ぐためには,薬物濃度または抗凝固活性の測定が必要かもしれないという懸念が持ち上がっている。2つの用量のedoxabanをwarfarinと比較したENGAGE AF-TIMI 48では,edoxabanの血中濃度を上昇させる臨床的特徴を有する患者では50%の減量を行い,両用量ともedoxabanの非劣性が示された。本解析では,臨床的特徴のみにもとづいたedoxabanの用量調整が,血中濃度の過度の上昇および出血リスクを予防したか,検討を行った。
デザイン ENGAGE AF-TIMI 48は無作為割付,二重盲検,ダブルダミー試験。NCT00781391。本解析はon-treatment期間のイベントを解析。
セッティング 多施設(1,393施設),46ヵ国。
期間 登録期間は2008年11月19日~2010年11月22日。
対象患者 21,105例。21歳以上,無作為割付前12ヵ月以内に12誘導心電図で心房細動が確認された患者で,CHADS2スコア2点以上,試験期間中に抗凝固療法を予定されている症例。
【除外基準】本解析からは,血液サンプル収集前および無作為割付の1ヵ月後にイベントが発生した患者は除外。
【患者背景】-
治療法 以下の3群に無作為割付。
edoxaban高用量群:60mg 1日1回投与。
edoxaban低用量群:30mg 1日1回投与。
warfarin群:PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
edoxaban両用量群とも,登録時もしくは試験期間中にCrCl 30~50mL/分,体重≦60kg,P糖蛋白阻害薬併用の場合,用量を半分に減量した。
追跡完了率
結果

●評価項目
無作為割付時に減量基準に合致していた患者(5,356例)は,合致していなかった患者(15,749例)にくらべ,イベント発生率が高かった(表記はedoxaban高用量群,低用量群の順)。
脳卒中または全身性塞栓症:減量なし(60mg)1.00% vs. 減量あり(30mg)1.79%,減量なし(30mg)1.38% vs. 減量あり(15mg)2.36%。
大出血:2.66% vs. 3.05%,1.65% vs. 1.50%。
全死亡:1.36% vs. 2.00%,1.14% vs. 2.22%。
edoxabanの用量の範囲は15~60mgで,平均血中濃度トラフ値(データが入手できた6,780例:16.0~48.5ng/mL)および平均抗Xa活性(2,865例:0.35~0.85 IU/mL)は,2~3倍の広がりが認められた。
平均血中濃度は用量減量により,高用量群では29%(48.5±45.8 ng/mLから34.6±30.9 ng/mLへ),低用量群では35%(24.5±22.7 ng/mLから16.0±14.5 ng/mLへ),抗Xa活性は高用量群では25%(0.85±0.76 IU/mLから0.64±0.54 IU/mLへ),低用量群では20% (0.44±0.37 IU/mLから0.35±0.28 IU/mLへ)低下した。
抗Xa活性が低かったにもかかわらず,warfarinに比較したedoxabanの有効性は保たれていた(脳卒中/全身性塞栓症:高用量群の減量なしではHR 0.78,95%CI 0.61-0.99,減量ありではHR 0.81,0.58-1.13,交互作用p=0.85,低用量群の減量なしではHR 1.07,0.86-1.34,減量ありでは1.07,0.79-1.46,交互作用p=0.99)。
安全性はさらに大きかった(大出血:高用量群の減量なしではHR 0.88,0.76-1.03,減量ありでは0.63,0.50-0.81,交互作用p=0.02,低用量群の減量なしではHR 0.55,0.46-0.65,減量ありではHR 0.31,0.23-0.42,交互作用p=0.002)。

●有害事象

文献: Ruff CT, et al. Association between edoxaban dose, concentration, anti-Factor Xa activity, and outcomes: an analysis of data from the randomised, double-blind ENGAGE AF-TIMI 48 trial. Lancet 2015; 385: 2288-95. pubmed
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