抗血栓トライアルデータベース
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メタ解析
TAVI施行後の抗血小板療法
Antiplatelet therapy following transcatheter aortic valve implantation
結論 経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)施行から30日後の正味の有害臨床イベントについて,aspirin単独および抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の間に差異を認めなかった。aspirin単独はDAPTにくらべ,生命に関わる出血および大出血リスクの低下傾向が認められた。clopidogrelを追加することの価値については,更なる検討が必要である。

目的 TAVI施行後の抗血小板療法を決定するためのエビデンスは不足している。現行の欧米のガイドラインでは,施行後早期にはDAPT,その後aspirinまたはチエノピリジン系薬物の単独投与を推奨しているが,これは専門医の意見にもとづいたもので,エビデンスレベルは低い。本研究では,TAVI施行後のaspirin単独療法の有効性および安全性をDAPTと比較した。主要評価項目:30日後の正味の有害臨床イベント(NACE,全死亡+急性冠症候群[ACS]+脳卒中+BARC出血基準の生命に関わる出血および障害をもたらす出血または大出血)。
方法 Pubmed,Medline,EMBASE,Current Controlled Trialsにて,2002年1月1日~2014年4月に出版された,TAVI施行後の抗血栓療法についての英文論文を検索。主要学術集会のアブストラクト,検索された論文の参考文献の検索も行った。
対象:TAVIを施行された大動脈弁狭窄症患者を対象としている,術後の抗血栓療法について明確な定義がある(抗血小板薬単剤とDAPTの比較を含む),追跡期間1ヵ月以上。
除外:治療群が1つのみ,DAPTと抗血小板薬単剤+ビタミンK拮抗薬を比較。
対象 4試験(RCT 2試験+登録研究2試験),672例(aspirin単独群415例+DAPT群257例)。
患者背景:平均年齢82歳。女性52.8%。糖尿病24.4%。腎疾患13.8%。心房細動8.2%。末梢動脈疾患15.8%。脳血管イベント既往9.1%。心筋梗塞既往17.8%。TAVIのアプローチ:経大腿動脈89.4%,経心尖5.8%,鎖骨下動脈1.8%,経大動脈2.5%。弁のタイプ:CoreValve 53.0%,Edwards Sapien 45.2%,Lotus valve 1.5%。手技成功96.4%。
主な結果 ・30日後のNACE
aspirin単独群12.9%,DAPT群15.1%で,同程度であった(OR 0.83,95%CI 0.48-1.43,p=0.50)。

・出血
生命に関わる出血および大出血について,aspirin単独群ではDAPT群にくらべ低下傾向がみられた(6.5% vs. 11.0%,OR 0.56,95%CI 0.28-1.11,p=0.09)。

・他の評価項目
ASAは以下のいずれもリスクを上昇させなかった。
全死亡:5.1% vs. 5.5%,OR 0.91,95%CI 0.36-2.27,p=0.83。
ACS:0.5% vs. 0.9%,OR 0.5,95%CI 0.05-5.51,p=0.57。
脳卒中:2.8% vs. 2.4%,OR 1.21,95%CI 0.36-4.03,p=0.75。
文献: Hassell ME, et al. Antiplatelet therapy following transcatheter aortic valve implantation. Heart 2015; 101: 1118-25. pubmed
関連トライアル ACS後の患者における新規経口抗凝固薬の追加効果, ARCTIC-Interruption, CASPAR , DES留置とDAPT実施期間, ITALIC, OPTIMIZE, PRODIGY in-stent restenosis, RESET, RESOLUTE post hoc analysis, SECURITY, Varenhorst C et al, ステント留置術施行患者におけるTAPTの有効性および安全性
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