抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
UC Davis PAD Registry
結論 症候性末梢動脈疾患(PAD)患者において,抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)はaspirin 単独にくらべ,主要有害心事象(MACE)および死亡の抑制と関連していた。本結果より,DAPTによる心血管イベントの長期抑制効果の可能性が示された。

目的 PAD患者はMACEリスクが上昇している。抗血小板療法によりリスクは低下するが,DAPTとaspirin単独の比較はこれまで行われていない。本試験では,症候性PAD患者において,DAPTがaspirin単独にくらべ追加的ベネフィットを有するか,検討を行った。主要評価項目:MACE(心筋梗塞,脳卒中,死亡)。副次評価項目:主要有害四肢イベント(MALE,足関節より上部の下肢大切断術,血栓溶解療法,外科的バイパス術),MACE/MALEの各項目,死亡+大切断術の複合。
デザイン コホート研究。
セッティング 単施設,米国。
期間 登録期間は2006年6月~2013年5月。追跡期間中央値は3.2年。
対象患者 629例。当該期間に診断的血管造影かつ/または治療的血管内インターベンションをうけ,症候性PAD(間欠性跛行または重篤な四肢虚血)と診断された患者。
【除外基準】手技前にwarfarinを投与,抗血小板薬を処方されていない症例。
【患者背景】平均年齢はDAPT群67歳,aspirin単独群67歳。各群の男性56%,56%。喫煙77%,77%。うっ血性心不全20%,21%。糖尿病54%,45%(p=0.02)。冠動脈疾患56%,45%(p=0.007)。高血圧86%,84%。既往:脳卒中/TIA 16%,16%,心筋梗塞21%,15%,腹部大動脈瘤6%,5%,頸動脈狭窄症16%,14%,消化管出血4%,8%,対側切断7%,8%。足関節上腕血圧比(ABI)0.51,0.53。
治療法 ベースライン時の処方より,DAPT群(348例,aspirin+clopidogrel 342例,aspirin+ticlopidine 1例,aspirin+prasugrel 5例)またはaspirin単独群(281例)とした。
追跡完了率 脱落はDAPT群68例(19.5%),aspirin単独群56例(20%)。
結果

●評価項目
MACEはDAPT群50件(20%),aspirin単独群59件(28%),死亡は29例(11%)vs. 42例(21%)であった。
プロペンシティスコア補正後,DAPTはMACE,全死亡の抑制と関連していた。
MACE:補正後HR 0.65,95%CI 0.44-0.96,p=0.03。
全死亡:補正後HR 0.55,95%CI 0.35-0.89,p=0.02。
DAPTの使用と心筋梗塞,脳卒中,MALE,大切断術の間には関連を認めなかった。
心筋梗塞:9% vs. 7%,補正後HR 0.96,95%CI 0.47-1.97,p=0.9。
脳卒中:4% vs. 4%,補正後HR 0.93,95%CI 0.34-2.60,p=0.9。
MALE:14% vs. 14%,補正後HR 0.67,95%CI 0.40-1.13,p=0.1。
大切断術:9% vs. 7%,補正後HR 0.69,95%CI 0.37-1.29,p=0.3。
血小板機能のポイントオブケアを行った94例において,21%がaspirin反応不良(aspirin reaction units≧550),55%がclopidogrel反応不良(P2Y12reaction units≧235)であった。aspirinまたはclopidogrelに対する反応不良と1年後の有害イベントについて,関連は認められなかった。

●有害事象

文献: Armstrong EJ, et al. Association of dual-antiplatelet therapy with reduced major adverse cardiovascular events in patients with symptomatic peripheral arterial disease. J Vasc Surg 2015; 62: 157-65.e1. pubmed
関連トライアル ARCTIC-Interruption, CAPRIE impact of smoking, CASPAR , CHARISMA subgroup analysis, DES留置後のDAPT期間:短期と長期の比較, EXCELLENT, ITALIC, PARIS, PRODIGY in-stent restenosis, PRoFESS, PRoFESS post hoc analysis, RESET, RESOLUTE post hoc analysis, SPS3, SPS3 post hoc analysis, Varenhorst C et al, 血管疾患患者に対する抗血小板療法
関連記事